新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため実施されている外出制限を解除する時期や方法を米ホワイトハウスが検討する中、米国の公衆衛生専門家らは12日、国内の検査体制を強化する必要があると訴えた。 食品医薬品局(FDA)のハーン長官はABCの番組で、国内で200万件以上の検査がこれまでに実施されたものの、検査を必要とする人の多くが依然として受けられない状態だとし、拡充が必要なのは間違いないと述べた。 米国では不十分な検査が対応の遅れにつながり、これまでに50万人超が感染、2万人を超える死者が出ている。 トランプ大統領は前週、検査の重要性を軽視する発言をしていた。 一方で、ホワイトハウスの新型コロナ対策本部の専門家らは、経済再開に踏み出す際にはとりわけ検査が重要になるとの考えを明確にしている。 FDAのハーン長官は「5月以降、夏、さらには秋に向けて、診断のための検査とともに抗体検査を拡充する必要性が非常に高まる」と述べた。 診断のための検査では患者がウイルスに感染しているか調べるのに対し、抗体検査はすでにウイルスに感染して免疫を持つ人を特定する。専門家は、市民の職場復帰やその際の感染封じ込めには両方の検査が重要になるとしている。 米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長はCNNの番組で「(感染防止のための)制限措置の一部を緩和し始めれば、感染する人が出てくることは分かっている。それが現実だ」と述べた。その上で「リアルタイムで感染者を特定、隔離し、接触者を追跡することが極めて重要になる。これが封じ込めだ」と語った。 FDAのハーン長官はNBCの番組で、全米の業者と協力して診断のための検査の拡充に取り組んでいると述べた。 抗体検査については、FDAがこれまでに承認したのは1件にとどまっており、市場で出回っている他の検査キットは精度が不十分な可能性もあると注意を促した。 ニュージャージー州のマーフィー知事はCBSの番組で、同州では症状のある人にしか検査を実施できない状況だとし、より多くの検査を行う必要があると強調した。 また、周辺の州との間で、検査や接触者追跡の問題に加え、州境をはさんで意図せぬ影響が生じないよう飲食店などに関するルールをどうするかといった問題を巡り、週末に踏み込んだ議論を行ったと明らかにした。 ニューヨーク州のクオモ知事は12日の記者会見で、検査の拡充や連邦政府による一段の支援が必要としたほか、経済戦略と一貫性のある公衆衛生戦略が必要だと指摘。「最も回避したいのは感染率の上昇だ」と述べた。 ニューヨーク市のデブラシオ市長は、入院患者や医療従事者、救急隊員ら優先される人以外も検査を受けられるようホワイトハウスと連邦緊急事態管理局(FEMA)に検査拡充を要請しているとした上で、同市では今週11万個の検査キットが必要になると述べた。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【関連記事】 ・封鎖解除後のコロナ「震源地」武漢はこうなった ・新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている? ・猫のコロナ感染率は15%――「人→猫」「猫→人」感染は? ・気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること  ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。