<パンデミックの収束後も冬期に再流行のおそれは残るため医療崩壊を防ぐためには警戒を続ける必要があると指摘> 新型コロナウイルスの季節的な流行による将来の医療崩壊を防ぐためには、2022年まで断続的にソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)を行う必要があるかもしれない――。米ハーバード大学の研究チームが4月14日、科学誌サイエンスに発表した研究論文で、こんな予測を明らかにした。 ハーバード大学公衆衛生学大学院の研究者たちは、同ウイルスの感染者数の増加がアメリカの医療体制をひっ迫させる可能性について、複数のシナリオを分析。一度感染した人が獲得する免疫が短期的(1年程度)なものだった場合と、より長期的なものだった場合の両方を考慮に入れた上で、検証を行った。 その結果、新型コロナウイルスは2020年春の「最も深刻な」流行に続いて、冬にも「おそらく」流行するとの予測を発表。この第2波が訪れた場合、現在の救急医療態勢では対応しきれず、十分な治療が提供できなくなる可能性があるとの見解を明らかにした。 冬におそらく再流行 研究チームは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック(世界的な大流行)が、アメリカをはじめ世界の経済に大きな打撃をもたらしていることを認め、今回の研究報告は「医療体制に壊滅的な負荷がかかる」のを防ぐための、代替策の可能性を探るためのものだと説明した。 彼らは研究報告の中で、「その他の介入が行われなかった場合、感染者数を救命救急診療の対応の限界内にとどめられるかどうかは、ソーシャル・ディスタンシングで決まる」と説明。「医療崩壊を防ぐためには、ソーシャル・ディスタンシングを2022年まで延長する、あるいは断続的に実施する必要があるかもしれない」と指摘した。 さらに彼らは、「新型コロナウイルスは初期の最も深刻なパンデミックが終わった後、おそらく冬に再び流行するだろうと予測する」と続けた。「救急診療態勢の拡充や効果的な治療法の開発などの追加的な介入が行われれば、断続的なソーシャル・ディスタンシングがより効果を発揮し、多くの人が十分な免疫を獲得する(集団免疫がつく)時期が早まるだろう。流行の封じ込めに成功したように見えても、2024年までは再流行の可能性があるため、警戒を緩めるべきではない」 研究チームは、ウイルスの致死率が低いままでいてくれれば制圧も可能と指摘しつつ、「中国、イタリアとアメリカの経験は、COVID-19が十分に資源のある国の医療体制さえも崩壊させかねないことを示している」とし警告した。 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びますSPECIAL EDITION「世界の最新医療2020」が好評発売中。がんから新型肺炎まで、医療の現場はここまで進化した――。免疫、放射線療法、不妊治療、ロボット医療、糖尿病、うつ、認知症、言語障害、薬、緩和ケア......医療の最前線をレポート。