<外出制限より仕事を返せと主張する命知らずの抗議デモが広がり始めた> アメリカの一部の州では、新型コロナウイルス感染抑止のための「自宅隔離」や「外出禁止」などの厳しい措置に対する抗議デモが広がっている。そしてドナルド・トランプ大統領がそれをけしかけている、とメリーランド州のラリー・ホーガン知事(共和党)は批判した。 ホーガン知事のメリーランド州では4月18日にデモが起きた。州都アナポリスでデモ隊が派手に車を走らせ、旗を振り、警笛を鳴らした。 新型コロナウイルスの感染者数は全米でまだ増加を続けており、トランプ政権が16日に発表した経済活動再開のためのガイドラインの条件はまだ整っていない。それでもデモ参加者たちは、経済活動の再開と職場復帰、自由や人権の回復を求めた。 「デモをけしかけるのは有益ではない」と、ホーガンは19日のCNNのインタビューで語った。「大統領が示したガイドラインでは、感染者数の減少が14日間続かなければ、経済活動を再開はできない。メリーランド州でも、他のデモが起きた州でも、感染者数はまだ増え続けている」と、説明した。 ミシガン州ランシングで4月16日に行われたデモ ホーガンはデモ参加者が訴えた不満には理解を示し、安全にできるだけ早く経済活動の再開に向けて努力したい、と語った。 しかし、一刻も早く感染抑止措置を解除しアメリカ経済を再起動したいトランプは17日、「ウイルスより失業が怖い」と、マスクも社会的距離を確保することもせずにデモを行う人々に対し、「ミネソタを解放しろ」、「ミシガンを解放しろ」、「バージニアを解放しろ」と連続で応援のツイートをした。 「多くの抗議デモが行われ、知事たちはうろたえただろう」と、トランプは後に語った。「他人にああしろこうしろと命令される必要がない人間もたくさんいるのだ」 命を捨てろというメッセージ やはり抗議デモが起きているミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事(民主党)はこう反論した。 「ミシガン州は、死者数が全米で3番目に多い。そしてミシガンはアメリカで10番目に大きな州だ。これがいかに大きな問題かは誰でもわかるだろう」と、ホイットマーは19日のCNNの番組で語った。「大きな州であるがゆえに被害は不釣り合いに大きい。だからこそ、私たちは州民を守るために特別に厳しい措置をとる必要がある」 ワシントン州のジェイ・インスリー知事(民主党)も、ABCニュースのインタビューでトランプを厳しく批判した。 「アメリカの大統領が規律違反を奨励するとは。こんなことがアメリカで起きることは、私の知る限り、ありえない」と、インスリーは19日に語った。「これは危険なことだ。国民に、命を救うために必要なことを無視させるなんて」 ジョンズ・ホプキンス大学の追跡調査によれば、19日午後の時点で、アメリカでは72万人以上がコロナウイルスに感染していることが確認された。そのうち3万4000人近くが死亡、6万5000人近くが回復している。 (翻訳:栗原紀子) <参考記事>米ミシガン州で「ウイルスより経済が心配」と命知らずの抗議デモ <参考記事>トランプ、経済再開へ指針公表 各州にそれぞれの状況に合わせ3段階アプローチ提言 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。 =====