米アクティビスト(物言う株主)のバリューアクト・キャピタル・マネジメントは投資家向けのレターで、11億ドル超に相当する任天堂株を保有していると明らかにした。ロイターがレターを閲覧した。エンターテインメント企業としての今後の成長に期待感を示した。 同レターによると、バリューアクトは2019年4月に任天堂株を取得し始め、新型コロナウイルス感染拡大を背景に株式相場が急落した今年2月と3月に保有株を増やした。 レターでは、任天堂の将来は明るいと指摘し、ソフトウエア事業の潜在成長力を評価したほか、同社は総合的なエンターテインメント企業に生まれ変わる余地があるとした。 米国で店頭取引されている任天堂の米預託証券(ADR)は一時5.7%上昇した。同社からコメントは得られていない。 サンフランシスコを本拠地とするバリューアクトは、任天堂の経営陣と複数回にわたり面会したと明らかにし、同社の古川俊太郎・最高経営責任者(CEO)がバリューアクトなどに示したビジョンを信頼していると表明。バリューアクトは他の投資会社とは異なり、投資先の企業に公に変革や取締役の交代を求めることはせず、水面下で経営陣と話し合う手法を取る傾向にある。 バリューアクトはレターで、同社のパートナーには米アドビや米マイクロソフトの取締役経験者がいるため、任天堂に適切な助言を与えることが可能だとした。取締役の指名に関する要求は示さなかった。 バリューアクトは、パートナーのロブ・ヘイル氏を昨年、オリンパスの取締役会に送り込み、数週間前にはJSRの株式7%を取得した。任天堂は日本での投資案件としては3社目。 同社はレターで、任天堂は米ゲームソフト大手のエレクトロニック・アーツ(EA)やアクティビジョンほどの好業績を上げていないが、現在進めているデジタルシフトが奏功するはずだと指摘。また、「任天堂が将来、ネットフリックスやディズニー+(プラス)、テンセント・インタラクティブ・エンターテインメント、アップル・ミュージックなどと肩を並べ、世界のデジタルメディアサービス最大手の一角を占めると考えている」とした。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【関連記事】 ・「ストックホルムは5月には集団免疫を獲得できる」スウェーデンの専門家の見解 ・日本がコロナ死亡者を過小申告している可能性はあるのか? ・アメリカの無関心が招いた中国のWHO支配 ・シンガポール、新型コロナ感染1日で1426人と急増 寮住まいの外国人労働者間で拡大   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。