安倍晋三首相は4日、新型コロナウイルス感染症対策本部で、5月6日までとしていた緊急事態宣言を全都道府県を対象に5月31日まで延長すると正式表明した。新規感染者数は減少傾向にあるものの十分ではなく、医療体制のひっ迫に配慮する必要があると判断した。もっとも感染者数の少ない地域は一部規制を緩和するほか、14日にも専門家に状況を評価してもらい、可能と判断すれば地域によって早期解除も検討する。 安倍首相は「日本は諸外国のような(感染の)爆発的拡大には至っていない」としつつ「新規感染者数の減少が十分なレベルとは言えない。引き続き医療体制がひっ迫している地域がみられるため、現在の取り組み継続が必要というのが専門家の見解」と説明した。 緊急事態宣言は4月7日に東京都など7都府県を対象に発出し、4月16日には対象を全国に拡大していた。 ただ、感染状況は東京・大阪など大都市圏と、地方で大きな隔たりがある。このため、7日以降は、東京・大阪・北海道など感染者の多い13の「特定警戒都道府県」とその他の34県で対応を分ける。 34県では県外移動や接待を伴う飲食店を除き自粛要請を行わず、少人数イベントを容認するなど条件緩和を進める。特定警戒都道府県でも、公園や博物館などは開放可能とする。 今後、10日後をめどに専門家会議で感染状況を分析する方針。西村康稔経済再生相は延期方針を説明した4日の参院議院運営委員会で、特定警戒地域以外の34県については感染状況に応じて、1)特定警戒地域への指定、2)早期解除、なども検討される見通しで「解除に向けた移行期間」と説明した。 専門家会議では感染の小規模な拡大は長期にわたり継続するとの意見もあり、人と人との接触を長期にわたり削減する「新しい生活様式」を提唱し始めている。与野党からは「いつまで続くのかが一番不安」(自民・佐藤啓参院議員)との声が出ており、出口戦略が今後の焦点のひとつとなる。 また自粛延長に伴う飲食店など中小規模事業者への対応も求められる。4月30日に成立した20年度補正予算は、全国一律10万円支給や、中小企業・個人事業主への200万円、100万円支給など緊急経済対策の内容が盛り込まれているが、2月末からスタートした政府の外出自粛要請は実質3カ月目に突入。1)家賃支援、2)雇用調整助成金の引き上げ、3)学生支援も急務となっており、与野党から2次補正予算の議論が出始めている。自民党若手議員や国民民主党などからは国債発行による真水100兆円の対策要望が出ている。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【関連記事】 ・「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に ・東京都、新型コロナウイルス新規感染91人確認 都内合計4568人に(グラフ付) ・『深夜食堂』とこんまり、日本人が知らないクールジャパンの可能性 ・感染深刻なシンガポール、景気悪化で新型コロナ対応措置を段階的に解除へ   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。