スイス製薬大手ロシュは3日、新型コロナウイルスの抗体検査薬について米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可を取得したと発表した。 同社のダイアグノスティックス部門の責任者、トーマス・シネッカー氏は、同検査薬の月間生産量を年末までに、現在の5000万個から1億万個を大幅に上回る水準まで引き上げる計画だと述べた。 抗体検査で新型コロナに感染済みで免疫を持っているかもしれない人が特定できれば、感染拡大抑制のための封鎖措置の解除に向けた戦略を策定しやすくなる可能性がある。 ロシュによると、同社の抗体検査薬は正しく陽性と判断する感度が100%で、正しく陰性と判断する特異度は99.8%超と、信頼性が高いという。 特異度が低ければ、実際は免疫を持っていないのに持っていると判断される可能性が高まる。 同社の検査薬は注射で採取した血液で検査を行うため、指先からの採血による検査よりも正確性が高いという。 新型コロナの抗体検査薬は米アボット・ラボラトリーズ、米ベクトン・ディッキンソン、イタリアのディアソリンなども開発している。 アボットはこれまで、同社の検査薬の特異度は99.5%、感度は100%だと公表している。ディアソリンの検査薬は感度が97.4%、特異度が98.5%。 ロシュは同社の検査薬の価格を公表していないが、世界各地で同一価格になるとした。 抗体の存在は通常、ある程度の免疫があることを意味するが、シネッカー氏は、新型コロナウイルスに関しては、確定的な結論を出すにはさらなる研究が必要だと認めた。「このウイルスについては分からないことが多いため、仮定はできるが、証明するにはさらなる時間を要する」と指摘。その上で「検査を行うことが、人々が免疫を獲得したかどうかを判断する鍵になる」とした。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【関連記事】 ・「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に ・東京都、新型コロナウイルス新規感染91人確認 都内合計4568人に(グラフ付) ・『深夜食堂』とこんまり、日本人が知らないクールジャパンの可能性 ・感染深刻なシンガポール、景気悪化で新型コロナ対応措置を段階的に解除へ   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。