総務省が8日発表した3月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の実質消費支出は前年比6.0%減(変動調整値)となった。減少は6カ月連続で、減少幅は2015年3月のマイナス10.6%以来の大きさだった。 ロイター事前予測調査の同6.7%減より減少幅は小さかった。減少は6カ月連続。これは、2016年3月から2017年5月の15か月連続のマイナス以来の長いマイナスとなる。 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため外出自粛要請が出ていたが、その影響が明確に出た格好だ。被服や教養娯楽が大幅に減少。増税以降の減少傾向に、さらに新型コロナの影響で消費の弱さが浮き彫りになった。 外出自粛で外食・旅行・レジャーが大幅減 3月は、外出自粛要請で外食需要が大幅に減少。食品の中でも外食は食事代(前年同月比30.3%減)、飲酒代(同53.5%減)が大きく落ち込んだ。 教養娯楽は同20.6%減。旅行需要が大幅に減少し、宿泊費は同55.4%減、パック旅行費は同83.2%減だった。 いわゆるレジャー支出も大幅に減少。映画・演劇等入場料は同69.6%減、遊園地入場・乗物代は同86.8%減だった。一部遊園地は3月時点から休園していた。 被服は同26.1%減。3月は例年、入学式などのイベントで背広の消費が増える時期だが、今年は休校要請が影響し需要が減少した。 一方、新型コロナウイルスの影響で支出が増加した項目もある。自宅で料理をする人が増えたことで食料のうち、米(同15.3%増)、パスタ(同44.4%増)、即席麺(同30.6%増)などが増加した。 品薄状態が続くトイレットペーパーは同26.4%増だった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、モノ不足を懸念した消費者の不安が影響した可能性がある。 総務省は「家計消費は外出自粛等の影響により減少しているが、一部巣ごもり需要も生じており、今後の動向には注意が必要」との判断を示した。 増税後弱かった消費にコロナが追い打ち 第一生命経済研究所の経済調査部・副主任エコノミスト、小池理人氏は「このまま消費の弱い動きが継続すれば、当然、企業業績の悪化も見込まれる。設備投資や貿易の停滞、賃金・ボーナスの引き下げなど、悪い影響が出てくるだろう」と指摘。 新型コロナの感染拡大を抑制できたとしても、消費の戻りにはかなりの時間を要すると予測。「個人消費がV字回復するシナリオは考えにくく、賃金の引き下げなどを通して消費は弱い動きが続くだろう」とコメントした。 *内容を追加しました。 (浜田寛子 編集:内田慎一)[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【関連記事】 ・東京都、新型コロナウイルス新規感染23人確認 39日ぶりに30人を切る ・「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に ・新型コロナウイルスをめぐる各国の最新状況まとめ(7日現在) ・「ブラック企業・日本」がコロナ禍で犯し続ける不作為   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。