<外出・営業制限の一部緩和を打ち出して1週間のイタリアで、夏までには外出制限を解除できるとコンテ首相が明言> イタリアのジュセッペ・コンテ首相は、新型コロナウイルスの感染拡大阻止のための外出・移動禁止措置(ロックダウン)について、夏には解除できるとの見通しを明らかにした。 地元有力紙コリエレ・デラ・セラの取材に対し、コンテは「夏をバルコニーで過ごすことはないだろう。海にも山にも行けるようになるだろうし、都会で楽しい時間を過ごすこともできるようになるだろう」と述べた。 またコンテは「イタリア国内で過ごすにせよそうでないにせよ、ルールを守り注意を怠らなければ、すてきな休暇になるだろう」とも述べた。 新型コロナウイルスによる死者が3万人を超えるなど深刻な被害を被ったイタリアだが、今月4日からは外出制限などの段階的な解除が始まっている。イタリアでは3月、他国に先駆けて全土でロックダウン(都市封鎖)が導入された。生活に必須ではないすべての商店が閉鎖され、6000万人の全住民の外出が原則、禁じられた。 北部パドバの研究チームは、イタリア北部における無症状感染の広がりについて調査を開始、パドバ郊外のボー村では、住民の約40%が無症状または医療措置が必要ない程度の軽症ながらコロナウイルスに感染していたことが明らかになった。ちなみにパドバでは2月下旬、イタリアにおけるコロナウイルスによる初の死者が確認されている。 商店の営業再開は、生花店や一部のカフェなどで少しずつ始まってはいるものの、通常レベルの生活に戻るにはまだ時間がかかるだろうとコンテは述べた。 EUの支援に期待 コリエレ・デラ・セラのインタビューでコンテは、制限解除の時期ややり方をはっきり言える状況ではないと指摘。今後数カ月は経済的に「非常に厳しい」状況が続くものの「夏には外出禁止は解除されるだろう。イタリアに夏休みが来る」と述べた。 「GDPは急落するだろうし、経済的な影響は非常に厳しいものになるだろう」とコンテは述べた。第二次大戦の時よりも深刻な打撃を受けた経済を支えるための支援をEUに求めているが、せめぎ合いが続いていることにもコンテは触れた。 イタリアでは旅行や一部のスポーツ、教会の礼拝への参加に対する規制が緩和されたものの、一定規模を超える集会は今も禁止されている。バルやレストラン、美容院は18日に営業再開の予定だが、学校の授業再開のスケジュールはまだはっきりしていない。多くの国で海外への渡航規制が続く中、もともと観光業以外に経済の柱となる産業に乏しい南部では、景気回復にはさらに時間がかかるかも知れない。 <参考記事>イタリアを感染拡大の「震源地」にした懲りない個人主義 <参考記事>「一帯一路」参加でイタリアは中国の港になってしまうのか ===== 「検査のやり方が改善されていけば地域ごとに異なる対応も可能になるかも知れない」としつつも「それが秩序のゆるみや無謀な対応につながってはいけない」と述べた。 一部の国々は規制緩和に踏み出したものの、ドイツや韓国では新たな感染拡大も確認されている。イタリアはこれまで、コロナウイルスへの備えが不十分だとどうなるかの「見本」として世界の注目を集めてきた。そしてコロナ禍をくぐり抜けた政府がいつ、どのように出口戦略を決めるのかという点でも、イタリアの動向は注目されている。 (翻訳:村井裕美) ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年5月19日号(5月12日発売)は「リモートワークの理想と現実」特集。快適性・安全性・効率性を高める方法は? 新型コロナで実現した「理想の働き方」はこのまま一気に普及するのか? 在宅勤務「先進国」アメリカからの最新報告。