ポンペオ米国務長官は27日、中国政府が香港への統制を強化する「国家安全法」を制定する方針であることを受け、香港に対し米国内法に基づく優遇措置を認められないと議会に報告したことを明らかにした。 声明で、香港に国家安全法を導入する中国の試みは「香港の自治や自由を根本的に弱める一連の行動」の新たな動きで、「香港が中国から高度の自治を維持しているとは言えない」と指摘。 その上で、状況を慎重に検討した結果、1997年(の香港返還)以前に適用された米国内法と同じ形での優遇を引き続き香港に認めることはできないとし、議会に通知したと述べた。 「中国が自らをモデルに香港を変えようとしているのは明らかだ」とも指摘した。 米国では昨年、「香港人権・民主主義法」が成立。香港に高度の自治を保障する「一国二制度」が守られ、米国が香港に通商上の優遇措置を与えるのが妥当かどうか、少なくとも1年に1回検証することを国務省に義務付けた。これにより、香港で起きた人権侵害の責任者には制裁が科せられる。 ロイターが確認した議会への報告の中で、ポンペオ長官は、将来的に香港が自治を維持していると再び認定し、米国法に基づく優遇措置を再開できることを望んでいるものの、「現状を考慮するとその可能性は極めて小さい」との見方も示した。 同長官による議会への報告を受け、米国が香港に対する優遇措置を継続するか、もしくは一部またはすべてを停止するかはトランプ大統領が判断することになる。 ポンペオ長官の声明では提言は示されていないが、関係筋によると、トランプ政権は香港からの輸入品に適用している優遇関税措置の停止を検討している。香港国家安全法の執行に関与した中国の当局者や政府機関、企業などに制裁を科す可能性もあるという。 トランプ大統領は26日、同法を巡り米政府が強力な対応を準備しており、週内に発表すると明らかにした。 香港国家安全法に対しては米国のほか、欧州連合(EU)や英国なども懸念を示している。 米国務省は、ポンペオ長官が27日にラーブ英外相と同法に関して意見を交わし、「国際社会は香港市民を支援し、香港の自治を蝕み続ける中国の動きに対処する必要があるとの見解で一致」したと明らかにした。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年6月2日号(5月25日発売)は「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集。行動経済学、オークション、ゲーム理論、ダイナミック・プライシング......生活と資産を守る経済学。不況、品不足、雇用不安はこう乗り切れ。