米製薬ギリアド・サイエンシズは抗ウイルス薬「レムデシビル」について、入院していない新型コロナウイルス感染症患者にも使えるように吸入薬など投与しやすい形の薬を開発している。 ギリアドは1日、新型ウイルス感染症の中程度の症状を示している患者に点滴でレムデシビルを投与した際、通常の治療と比べやや効果があったとする試験結果を公表した。 レムデシビルは今のところ、新型ウイルス感染症の治療薬として効果を示している唯一の薬。ギリアドなど各社はレムデシビルをより効果的にする方法を模索している。 重症患者に関してはスイスの製薬大手ロシュや米同業イーライリリーがレムデシビルと組み合わせて投与する薬の試験を進めている。 ギリアドはまた、新型ウイルス感染症をより早い段階で治療する方法を模索している。インフルエンザ治療薬「タミフル」などその他の抗ウイルス薬は感染した際に極力早く投与すると効果が高い。 ギリアドは1日に発表した声明で、さまざまな投与方法を含め、病気の早い段階でのレムデシビルの利用法を調べていると表明。吸入薬の研究について認めたが、詳細は明らかにしなかった。 長期的には皮下に注入できる形や、吸入できる粉末状のレムデシビルの開発を目指しているという。レムデシビルは化学構造的に肝臓で分解されるため、錠剤による投与はできない。また点滴投与は病院でしかできない。 短期的には既存の点滴薬を薄め霧状の薬を吸入器で吸い込める方法を実現しようとしている。新型ウイルスは肺を攻撃するため上気道や肺に直接投与することが狙い。入院していない患者の早期治療に使えることも利点だ。 ジェフリーズのアナリスト、マイケル・イー氏は、開発は非常に早期な段階にあるとし、多くの感染者は最小限の治療で済むため需要はあまりない可能性があると述べた。イー氏によると、ギリアドはレムデシビルの供給能力を拡大しており、各国政府と価格について協議を始めている。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【関連記事】 ・東京都「東京アラート」発動、レインボーブリッジ赤く染まる 新型コロナ新規感染34人で ・検証:日本モデル 西浦×國井 対談「日本のコロナ対策は過剰だったのか」 ・なぜブラジルは「新型コロナ感染大国」へ転落したのか ・WHOに絶縁状、トランプの短気が招く「世界公衆衛生危機」の悪夢   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年6月9日号(6月2日発売)は「検証:日本モデル」特集。新型コロナで日本のやり方は正しかったのか? 感染症の専門家と考えるパンデミック対策。特別寄稿 西浦博・北大教授:「8割おじさん」の数理モデル