<現場にいた警官4人全員が殺人で起訴されことで、司法上の「正義」は実現する見通しが付いたが......> ミネソタ州ミネアポリスで4日、警官から暴行を受けて死亡した黒人男性ジョージ・フロイドの追悼式が行われ、市内を霊柩車で移動するフロイドの棺に向かって、路上で警官が跪いて弔意を示す姿が見られた。 フロイドは先月25日、ミネアポリス警察に偽札使用の容疑で逮捕されたが、その際に警官のデレク・ショービン(懲戒免職処分)から道路に倒れた状態で首を膝で押さえつけられ、その後死亡していた。フロイドが「息ができない」と訴える姿が動画で撮影されてソーシャルメディアで拡散されたことから、ミネアポリスだけでなく全米各地へと抗議デモが拡大した。またフロイドへの司法上の正義だけでなく、より広範な司法・警察改革を求める声も湧き上がっている。 追悼式は、ミネアポリス市内のノースセントラル大学で行われ、フロイドの家族や友人が出席した。式では黒人人権運動の指導者アル・シャープトン牧師が弔辞を述べ、「フロイド氏に起きたことは、アメリカで毎日起きている。教育や医療、生活のあらゆる場面で、だ。今こそ、ジョージの名の下に立ち上がり、私たちの首から膝をどけろと声を上げる時だ」と訴えた。 フロイドの棺を運んだ霊柩車が市内を移動した際には、ミネアポリス警察のメダリア・アラドンド署長ら警官2人が路上に跪いて弔意を示した。 (フロイドの棺を運ぶ霊柩車に跪くミネアポリス警察署長ら) 今回の事件で、ショービンは当初、第3級殺人(過失致死に相当)の罪で起訴されていたが、その後より重い第2級殺人でも起訴された。また現場にいた他の3人の警官も、第2級殺人の教唆・幇助で起訴された。教唆・幇助でも、第2級殺人と同様に最大で禁錮40年の刑を言い渡される可能性がある。 「(犯行を)黙認し、制止しなかったことは、共謀とみなされる。そのレベルに違いはない」とアラドンド署長は話している。「フロイド氏は警察の拘束中に死亡したのだから、(現場にいた警官は)共謀罪にあたる」 第3級殺人と第2級殺人で起訴されたショービンはそれぞれの罪状で最大で禁錮25年と禁錮40年の刑を言い渡される可能性がある。ミネソタ州検察はより重い第2級殺人でも起訴した理由について「示された証拠から、さらに重い罪状が認められたため」と説明している。 ===== 一方、フロイドの家族の弁護人ベンジャミン・クランプは、追悼式に先立って現場にいた警官4人全員の起訴を求めていた。クランプは検察当局が4人全員を起訴することを確信していると述べ、アメリカは「黒人のアメリカと白人のアメリカ」の2つの司法制度があってはならないと訴えていた。 クランプは、フロイドの死がアメリカ社会に変化をもたらす「転換点」になるとも語った。トーマス・ジェファーソンが記したアメリカの独立宣言の精神を、アメリカ人が守っているかどうか問われる時だ、と述べている。 「すべての人民は平等で、生命、自由および幸福追求の権利を保障される」という独立宣言の趣旨を引用し、「黒人もアメリカでこの権利を保障されなければならない」と訴えた。 (フロイドの追悼式でスピーチした黒人人権活動家アル・シャープトン牧師) =====