<雇用統計が市場予想を1000万人も上回るという意外な結果に、8日のナスダックは過去最高値を更新。新型コロナの感染拡大ももう怖くなくなった?> 米株式相場は2020年6月8日金曜からさらに続伸した。予想外に好調だった米雇用統計に後押しされ、新型コロナウイルスからの回復が早まるのではないかという期待から上昇した。 8日終値は、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均が前週末比で461.46ドル高い2万7572.44ドル。また、S&P500社株価指数は38.46ポイント高い3232.39ポイント、ナスダック総合株価指数にいたっては110.664ポイント上げて9924.745ポイントと最高値を更新した。 この株高の原因は何といっても先週金曜に米労働省が発表した雇用統計だ。それによれば5月には、非農業部門の雇用者数が前月比で250万人増加した。市場の事前予想では800万人減少とされていたから、1000万人も上振れた事になる。お祭り騒ぎになっても不思議はない。 <参考記事>「世界最多の新型コロナ感染者数」それでもアメリカの覇権が続く理由 感染拡大は続くが 「業界のコンセンサスがさらなる大幅減少だったことを思えば、今回の回復は、経済活動はわれわれの予想よりも急速かつ勢いよく回復しているという見方を補強している。今週明らかになったほかのマクロデータも同じ方向を示している」と、コンサルティング会社キャピタル・エコノミクスのアメリカ担当シニアエコノミスト、マイケル・ピアースは指摘する。 その一方で、新型コロナウイルスの感染者数は世界全体で700万人を超え、死者数も合計で40万3000人を突破した。ドイツ鉱工業生産指数は4月、前月比で17.9%マイナスとなり、史上最大の低下率を記録した。 アメリカの雇用が250万人増加したといっても、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンで2月以降に失われた4000万人の雇用に比べればごく一部に過ぎない。しかし、アメリカの一部のアナリストたちは、急速に楽観的な見方に傾いている。 「史上最速で弱気相場に転じたあとは、史上最大の劇的な回復が起こりそうだ」と、チャイキン・アナリティクスの最高経営責任者マーク・チャイキンは言う。「新型コロナウイルスはいくつかの州でまだ感染拡大している。しかし投資家は楽観的に、12カ月〜18カ月先の将来を見据えている」 <参考記事>いつになったら経済は元に戻るのか──景気回復への長くて遠い道のり ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」