<マスク着用も社会的距離の確保も呼びかけず、強気で経済活動を再開してきたテキサス州で感染者と入院患者が急増、臨界に達しそうだ> テキサス州は6月24日、新型コロナウイルスの新たな感染者数が過去最多を記録したと発表。同州ヒューストンでは、病院の集中治療室(ICU)がほぼ満床となった。 ヒューストンのシルベスター・ターナー市長は24日に市議会で、市内のICU病床の97%が埋まっていると明らかにした。医療崩壊は目前だ。同市にある医療複合施設テキサス・メディカルセンター(TMC)の報告書によれば、このうち27%をCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の患者が占めている。TMCが今週発表したデータを見ると、市内のICU病床の占有率は、22日の時点で90%に達していた。 人口2900万人のテキサス州では、州内全域で新型コロナウイルスの新規感染者や入院患者が急増している。同州保健当局(DSHS)が発表しているデータによれば、中でもその最も深刻な影響を受けている地域のひとつがヒューストンだ。最新のデータでは、23日午後の時点でヒューストン都市圏にある医療施設で受け入れ可能なICU患者を179人と推定していた。 マスクもせずビジネス再開 同州の新型コロナウイルス関連の入院患者は24日にこれまでで最多を記録し、DSHSが確認したところでは4000人を超えている。6月12日に(それまでで最多の)2166人を記録して以降、入院患者数は右肩上がりだ。 ヒューストンの保健当局は22日、同都市圏では、新型コロナウイルス関連の入院患者の数が5月31日以降に177%も増えたと発表。感染者のICU入院件数も64%増えている。 テキサス州では24日、新たに5489人の感染を確認。1日の感染者数としては、20日に記録した4430人の記録を大幅に上回り、これまでで最多を記録した。DSHSによれば、同州の累計感染者数は6月はじめには約6万4800人だったが、23日午後の時点では12万300人超にのぼっており、今月に入って急増している。このうち現時点でまだ回復していない人はおよそ4万7400人と推定される。 テキサス州は全米のなかでも最も早い5月はじめから経済活動を再開した州の一つ。同州のグレッグ・アボット知事は、経済活動の再開にあたって、公共の場所でのマスク着用も社会的距離の確保も求めなかった。だが州内で新規感染者や入院患者が急増しているのを受け、22日の会見では住民にマスクの着用を促した。 「マスクの着用は、テキサス州の経済活動を維持するための助けになる。何も対策を取らなければ、感染の拡大はさらに悪化する。そうなれば人々の命が危険にさらされることになるし、最終的にはより多くの企業や店舗を閉鎖しなければならなくなる」と知事は会見で語った。 【話題の記事】 ・イタリアを感染拡大の「震源地」にした懲りない個人主義 ・「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?