<1日の新規感染者数が世界最悪の5万5千人を超えてなお有効な対策をとらず感染拡大中のアメリカを、中国が「世界に感染を広げる」と警告> 中国の国営メディアはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策を誤ったとトランプ政権を酷評し、この病気を「アメリカ病」と形容し、 トランプ積怨の失敗が世界に脅威を与える可能性があると警告した。 中国共産党の機関紙「人民日報」傘下のタブロイド紙「環球時報」は、7月3日の社説で、アメリカにおける新型コロナウイルスの流行は「完全に制御不能だ」と論じた。 アメリカでは7月2日、新型コロナウイルスの1日の新規感染者数が5万5000人を超え、12月に中国中部の武漢市で始まったパンデミック(世界的大流行)の記録を更新した。アメリカでは、トランプ政権が引き続きこのウイルスを甘く見ており、地方の対応もまちまちで、有効な対策が打てていない。 トランプ政権の新型コロナウイルス対策に関わる米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は先ごろ、現在の傾向が逆転しなければ、アメリカの新規感染者は1日10万人増えるかもしれないと語った。 独立記念日のビバリーヒルズのパーティーは、絵に描いたようなクラスター源 感染の99%は無害? ワシントン・ポスト紙によれば、トランプは7月4日の独立記念日の演説で、アメリカの7日間の新規感染数の平均は26日連続で過去最多を記録しているものの、政権はパンデミックを制御するうえで「かなり進歩を遂げた」と語った。さらに多くの感染者が出たが「その99%は無害だった」という不正確な発言もあった。ジョンズ・ホプキンス大学によると、これまで新型コロナウイルス感染症で死亡したアメリカ人は12万9000人以上、感染者は280万人にのぼる。 「米政府が感染を抑制し、より多くのアメリカ人の命を救うために最大限の努力をしているかどうかは疑わしい」と、環球時報の論説はアメリカのやり方を批判。感染者と死亡者が増加しているのに、景気回復を優先していると指摘した。 環球時報は、中国政府とは少し離れた関係を維持しながらも、最も好戦的でナショナリズム的な中国共産党内の感情を伝えるために利用されることが多い媒体だ。 環球時報やその他中国国営メディアの出版物は、中国政府のプロパガンダの最前線にいる。目下のところ、中国政府は新型コロナウイルスのパンデミック発生の責任を回避するために、リベラルな民主主義国家の対応を攻撃する戦略をとっている。 中国は国内の感染拡大を抑え込む点では速やかに行動したが、国際社会に対して感染者の数字を過小報告し、COVID-19がもたらす脅威について十分に警告しなかったと非難されている。 <参考記事>スウェーデンの悪夢はパンデミック以前から始まっていた <参考記事>新型コロナのワクチンはいつになったらできる? ===== ジョー・バイデン元副大統領とトランプが大統領の座を争う今年11月の選挙でも中国は重要なテーマとなるだろう。両候補者はここ数カ月、反中国の姿勢を有権者にアピールしている。 「アメリカ社会のコロナウイルスの流行に対する認識は嘘だらけだ」と、環球時報は主張する。「政党はそもそも選挙での勝利を優先し、社会の注目と資源の配分を歪めるものだ。アメリカのウイルスとの戦いは膠着状態にある。流行を緩和するための国家戦略はない。政治的な計算をしているからCOVID-19との戦いがうまくいかないのだ」 当初たいへんな数の感染者を出した国々も、今はなんとか流行を食い止めている。だが専門家は、ロックダウン措置が緩和され、一部の地域にインフルエンザシーズンがやってくるにつれて、第2の波が発生する可能性が高いと警告している。 アメリカはウイルスの巣 トランプ政権が感染を抑え込んでいないため、欧州各国はアメリカからの渡航制限を維持している。ウイルスの感染がまだ拡大していない国々の政府は、アメリカから感染者が入国することを警戒している。 環球時報は、アメリカはまだコロナウイルスの感染を減らすことができない状態にあり、それが今後も続くと主張した。「来る秋と冬には、アメリカでの再び流行が勢いを増し、アメリカのせいで苦しむことになる国や地域が増えるだろう」と、同紙は伝えた。 独立記念日を挟んだ3連休には、アメリカのビーチや観光地にはマスクもしない多くのアメリカ人がパーティーに繰り出した。2週間後には、まずその結果がわかるだろう。 (翻訳:栗原紀子) 【話題の記事】 ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開 ・台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死 ・中国は「第三次大戦を準備している」 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年7月14日号(7月7日発売)は「香港の挽歌」特集。もう誰も共産党を止められないのか――。国家安全法制で香港は終わり? 中国の次の狙いと民主化を待つ運命は。PLUS 民主化デモ、ある過激派の告白。 ===== 独立記念日のビバリーヒルズのパーティーは、絵に描いたようなクラスター源