<奴隷貿易や植民地主義の罪をまだ認めてもいないエリザベス女王をさしおいて、「イギリスは過去を認めるべき」と主張> ヘンリー王子とメーガン妃は7月1日、英連邦の若者を支援する慈善団体「クイーンズ・コモンウェルス・トラスト」が主催したビデオ会議に参加。制度化された人種差別や無意識の偏見について話し、イギリスは「過去を認める」べきだとして、人種差別と大英帝国に関する「気まずい」問題を取り上げた。 アメリカで黒人男性が白人警察官に殺害されたことをきっかけに起こったBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大切)運動は、イギリスにも広がりを見せている。だがエリザベス女王はこれまでBLM運動について意見を表明したことも、かつての大英帝国が犯した罪について謝罪したこともない。英連邦の加盟国54カ国のほぼ全てが、かつて大英帝国の植民地だった。 ヘンリー王子はビデオ会議の中で、「英連邦全体を見渡したとき、私たちが過去を認めずに前に進む道はない」と主張。メーガン妃は「大きな出来事が起きた時だけではなく、平穏な時にこそ人種差別や無意識の偏見がひそかに助長されていく」と指摘し、「そうすると多くの人にとって、自分たちが能動的にも受動的にも差別の助長に一役買っていることが理解しにくくなる」と語った。 人種差別は「風土病のようだ」 彼女はさらにこう続けた。「私たちは今、少しばかり気まずい思いに耐えなければならない。その居心地の悪さを乗り越えて初めて、すべての人にとっていい世界が実現できるのだから」 英連邦の加盟各国で活躍する「若いリーダーたち」が参加したこのビデオ会議は、同トラストがBLM運動の広がりを受けて毎週行っているディスカッションの一環として開催された。同トラストは「世界中の若いリーダーを支持し、彼らに資金を提供し、また彼らを結びつけること」をモットーに掲げている。 メーガン妃は6月、母校であるロサンゼルスのイマキュレート・ハート高校の卒業生に向けたエモーショナルなスピーチの中で、BLM運動への支持を表明。ヘンリー王子は7月1日に出席した慈善団体のイベントで、制度化された人種差別は社会に「風土病のように」まん延していると批判していた。 しかし英連邦の首長であるエリザベス女王は、これまで大英帝国が犯した罪を公に認めたことはなく、奴隷貿易について謝罪したこともない。一方、女王の息子であるチャールズ皇太子は2018年にガーナを訪れた際に、奴隷貿易は「最悪の残虐行為」だったと認める発言を行った。 <参考記事>人種差別と偏見にまみれたイギリスから、ヘンリー王子とメーガン妃が逃げ出すのは当然 <参考記事>「英王室はそれでも黒人プリンセスを認めない」 ===== メーガン妃はビデオ会議の中で、「これから(人種差別や偏見について)議論を行っていくためには、歴史を見つめることも必要だ。歴史をマクロの視点からだけでなく、ミクロの視点からも見ていかなければならない」と述べ、さらにこう続けた。「私たち一人ひとりが、自分が過去にどのようなことをしてきたのかに向き合う必要がある。今こそ、その報いを受けるべき時だ」 ヘンリー王子は、さらにこうつけ加えた。「私たちは、これまで世界について違う見方をするように教育されてきた。それは否定も無視もできない事実だ」 「だが世界に偏見があることに気づき始めたら、それを認めるべきだし、その問題についてもっと知るために努力する必要がある。そうすることで、大いに間違っている、そして今の私たちの社会では許容されるべきではないことに立ち向かう上で、自分が役に立てるようにするべきだ」 【話題の記事】 ・【動画】集中豪雨により氾濫する長江 ・銀河系には36のエイリアン文明が存在する? ・「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年7月14日号(7月7日発売)は「香港の挽歌」特集。もう誰も共産党を止められないのか――。国家安全法制で香港は終わり? 中国の次の狙いと民主化を待つ運命は。PLUS 民主化デモ、ある過激派の告白。 =====