世界保健機関(WHO)は9日、新型コロナウイルス感染について新たなガイドラインを示し、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」を介した感染に関する報告を一部認めた。ただ、空気感染の可能性を確認するまでには至らなかった。 最新のガイドラインでは、人が密集している屋内での感染を巡る報告を踏まえると、新型ウイルスが飛沫感染に加え、エアロゾルを介して感染する可能性も示されていると指摘。医療施設のほか、合唱団の練習や飲食店、スポーツジムなどでのエアロゾル感染があり得るとした。 ただ、エアロゾルが感染に果たす役割について一段の研究が必要との認識を示した。血液を介した感染については、現時点ではよく分かっていないとした。 現在の実証に基づけば、コロナ感染はウイルスに汚染された物質への直接的・間接的接触や、感染者との濃厚接触によって起こり、感染者がせきやくしゃみ、発声をした際に出る唾液や呼吸器分泌物、飛沫が感染をもたらすとした。 一方、人混みを避けたり、室内の空気の入れ替え、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)、それが難しい場合のマスク着用を奨励した。 コロラド大学の化学者、ホセ・ヒメネス氏は「今回の発表は小さな一歩ではあるが正しい報告に向かっている。コロナのパンデミック(世界的大流行)が主にスーパー感染によって引き起こされることが徐々に明らかになっており、その多くがエアロゾル感染によるものであるとの説明が最も納得できる」と述べた。 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は会見で、エアロゾル感染を示す確たる証拠は多くないが、実際に起きていると考えるのが妥当だとした上で、症状がない人も含めマスク着用が重要だと強調した。