<元慰安婦の支援を標榜する正義記憶連帯(正義連)28年間、日本大使館前で水曜集会を開催してきたが、正義連の不正を糾弾する市民団体が正義連の定位置で集会を開催し、紛糾している......> 元慰安婦の支援を標榜する正義記憶連帯(正義連)は2020年7月8日、水曜集会を「記者会見」形式で実施した。 正義連は28年間、日本大使館前で水曜集会を開催してきたが、正義連と尹美香(ユン・ミヒャン)前理事長の不正を糾弾する市民団体が正義連の定位置で集会を開催し、同地管轄する鐘路区庁は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する名目で、大使館前を集会禁止場所に指定した。 「定位置」の集会めぐって対立が深まる 韓国で新型コロナウイルスの感染が深刻さを増してきた2月20日、ソウル鐘路区庁はタプコル公園を閉鎖し、ソウル市は光化門広場やソウル広場など、デモ・集会会場の使用を禁止した。翌月3月1日に大規模な反日集会が予定されていたのだ。 デモや集会は憲法で保障された権利であり、国や自治体が禁止を命じることはできない。そこで、集会場所の使用を禁止し、事実上の集会禁止措置を取ったが、光化門広場から300メートル余りしか離れていない旧日本大使館前は使用禁止区域に含めなかった。 5月7日、元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さんが、正義連と前理事長の尹美香氏の問題を提起して以降、不正疑惑が増大し、保守系市民団体「自由連帯」が、6月24日の水曜日に旧日本大使館前で、正義連の解体と慰安婦像の撤去を求める集会を行なった。 集会計画者は開催予定日の30日前から2日前の間に、開催場所を管轄する警察署に届け出ることになっており、先着順で受理される。「自由連帯」は午前0時の受付開始と同時に届け出た。 同じ日時に同じ場所で集会を行う届け出が出されると、警察は該当場所を分割するなど調整を提案するが、優先権を持つ団体の受け入れが前提だ。自由連帯が提案を拒絶し、1992年1月に当時の宮沢喜一首相の訪韓を機に日本大使館前で集会を開いてから毎週水曜日に集会を開催してきた正義連は、大使館前の慰安婦像から10メートルほど離れた聯合ニュース本社前で集会を開催した。 正義連を支援する大学生ら約20人が空白地帯となった慰安婦像と自身の体をひもで結びつけて、座り込みを行った。警察は大学生らに自主的な解散を求めたが、応じることはなかった。 自由連帯は毎週水曜日に集会を続けるとし、また、保守系市民団体「反日銅像真実糾明共同対策委員会」が7月29日から毎週水曜日に聯合ニュース本社前で集会を開くと警察に届け出て、正義連が慰安婦像を囲んで集会を行うことは難しくなった。 ===== 「記者会見形式」で水曜集会が行われた 正義連と保守系団体の対立が深まった7月3日、ソウル市鐘路区庁は旧日本大使館や聯合ニュース本社がある通りを新型コロナウイルスの拡散を防ぐ感染症予防法に基づく集会制限区域に指定した。 違反して集会を実施すると主催者と参加者に300万ウォン(約27万円)以下の罰金が科される。警察は違法集会を強行した団体には解散命令を辞さない考えだが、学生団体が慰安婦像周辺で座り込みを続けている。 集会禁止命令が下された直後の7月8日水曜日、正義連は慰安婦像を取り囲んで1447回水曜集会を記者会見形式で実施した。記者会見は事前申請は必要なく、自治体の集会禁止命令も及ばない。普段1時間程度行っている集会を短縮して、参加者も10人前後に制限するとしたが、守られることはなく40人近くが参加した。 一方の自由連帯も「記者会見」を実施した。警察は正義連と自由連帯間の衝突を防ぐため、慰安婦像がある場所を半分に分けて2団体を配分したというが、自由連帯のキム・サンジン事務総長は、警察が正義連側に多くの空間を割り当てたとし、警察の不公正と職権乱用の責任を問いたいと述べた。 「集会」には警察の権限が及ぶが「記者会見」は曖昧 「記者会見」形式の集会は、正義連と自由連帯がはじめてではない。駐韓米国大使館が、6月初旬、記者会見形式の集会を制止できないか警察に相談している。駐韓米国大使館が面する光化門広場では、3年前から民衆民主党が反米集会を開催している。在韓米軍の撤収を掲げる団体だ。 6月3日と4日に20人余りの党員が、米大使館が面する光化門広場で、米国大使の追放を求める政党演説会を行った。警察は「集会」に変質したと見て調査に入ったが、民衆民主党は届け出の必要がない「記者会見」だという主張を繰り返した。 ハリー・ハリス駐韓米国大使はツイッターに「デモに同意しないが、民主主義国家の韓国で平和にデモする権利を尊重する」とコメントした。 判例は、特定または不特定多数人が共同の意見を形成し、対外的に表明することを目的で集まる場合を集会と解釈するが、警察の権限が及ぶ集会と権限が及ばない記者会見の境界は曖昧で、警察が「記者会見」に介入するたびに、裁判で争われている。 =====