<データを挙げた反論にいらだち、事実誤認を指摘されると「フェイクニュースだ」と逆ギレ> アメリカのドナルド・トランプ大統領は19日に放送された保守系メディアFOXニュースとのインタビューで、アメリカの新型コロナウイルス感染症による致死率(報告された感染者の中の死亡者の割合)は世界的に見て「最も低い」と述べた。FOXニュースの重鎮クリス・ウォレスがデータを示してアメリカの致死率は「最悪」の部類だと指摘しても、トランプは主張を変えなかった。 トランプはこの数週間、アメリカの新型コロナウイルス感染症による致死率は世界「最低」もしくは「最低レベル」だとの発言を繰り返している。またウイルスはすぐに消えてなくなるとも言ってきた。ケイリー・マケナリー大統領報道官も同様の主張をしているが、これまでに発表されたデータの中にそうした主張を裏付けるものはない。 WATCH: President Trump discusses the U.S. response to the coronavirus. Plus, his relationship with Dr. Fauci and much more. #FoxNewsSunday pic.twitter.com/JUo1c2i96Z— FoxNewsSunday (@FoxNewsSunday) July 19, 2020 ウォレスはインタビューの中でこの事実を挙げて反論した。 「アメリカの死亡率は世界で7番目に高く、ブラジルよりも高いしロシアよりも高くなっている。EUはアメリカからの渡航を禁止している」とウォレスは指摘した。 トランプはこれに対し、自分の見解はウォレスの指摘とは「正反対」だとし、「アメリカの致死率は世界で最低レベルだと私は信じている」と述べた。 「それは真実ではない。アメリカではたった1日で900人が(新型コロナウイルス感染症で)死亡している」とウォレスは切り返した。 致死率も人口比の死者数も高いのに これに対しトランプはデータを確認するよう求めるとともに、ウォレスの言うことは間違っており、「フェイクニュース」だと主張。ウォレスはデータの確認は構わないが、自分が「フェイクニュース」をばらまいているとは思わないと返した。 「君はアメリカの致死率が世界最悪だと言うが、アメリカの致死率は世界で一番ましだ」とトランプは言いつのった。 ウォレスが参照したのはジョンズ・ホプキンズ大学の分析で、これによればアメリカの致死率は3.8%で、感染が急拡大している国々の中では世界第8位となっている(インタビューが行われた時点では7位だった)。 人口10万人あたりの死者数を見ると、アメリカの成績はさらに悪くなる。現時点でアメリカでは人口10万人あたり42人がコロナで死亡している。これは感染が急拡大している国々の中では3番目の多さで、すべての国の中でも10位となっている。 新たに確認された感染者数や死者数も増え続けている。アメリカの感染者数は370万人超で死者数も14万人を超え、ともに世界最悪だ。 <参考記事>中国が新型コロナウイルスは「アメリカ病」と非難 <参考記事>スウェーデンが「集団免疫戦略」を後悔? 感染率、死亡率で世界最悪レベル ===== トランプはウォレスに対し、アメリカ政府のコロナ危機への対応の責任は最終的には自分にあると述べた。その一方でトランプは、一部の州では知事の対応に問題があったとの見方を示した。 「すべての責任は常に私にある。なぜなら私の(大統領という)職は最終的にはそういうものでもあるからだ。私はすべての人の司令塔にならねばならない」とトランプは述べた。「うまく対処した知事たちもいたが、対応がまずかった知事もいる。本来あるべき物資がなかった。私はすべての人に(物資を)供給した」 トランプの主張にウォレスがデータを上げて反論したのは致死率の問題だけではない。トランプは、民主党の大統領候補であるジョー・バイデン前副大統領が警察への予算打ち切りや警察組織の解体を求めていると、事実と異なる主張を行った。だが実際は、バイデンは警察の改革はある程度支持しているものの、彼にせよ民主党議員の多くにせよ、警察予算の打ち切りまでは支持していない。 「それにバイデンは、警察予算の打ち切りを求めている」とトランプは言った。 これに対しウォレスは「そんなことはしていない」と応じた。 反論にイライラ、墓穴を掘る場面も トランプはいらだった様子になり、バイデンが民主党の予備選でライバルだった左派のバーニー・サンダース上院議員とともに政策目標をまとめたことをやり玉に挙げた。これについてもウォレスは、政策目標では「警察予算の打ち切りに関して何も触れられていない」と反論した。 するとトランプは、政策目標の文書をこの場でチェックしようと言いだした。ウォレスによればその結果、トランプは「自らの考えと異なる点を多く」見つけたものの、この中に警察予算の打ち切りや警察組織の解体に関する記述は一切含まれていなかったという。 (翻訳:村井裕美) 【関連記事】 ・銀河系には36のエイリアン文明が存在する? ・カナダで「童貞テロ」を初訴追──過激化した非モテ男の「インセル」思想とは ・昆虫食はすでに日常 カナダの大手スーパー「コオロギ粉」全国販売開始 ・セックスドールに中国男性は夢中 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年7月28日号(7月21日発売)は「コロナで変わる日本的経営」特集。永遠のテーマ「生産性の低さ」の原因は何か? 危機下で露呈した日本企業の成長を妨げる7大問題とは? 克服すべき課題と、その先にある復活への道筋を探る。