<大統領選挙で負けたら辞めるか、という質問に「単純にイエスとは言えない」「不正が行われるかもしれない」と、このまま居座る気満々。コロナ対策の郵便投票を不正の温床と批判しているのも、辞めないための狡猾な伏線だ> ドナルド・トランプ大統領が11月の大統領選で負けても辞めない可能性を考えて、米国民は備えをしておかなければならない――反トランプを掲げる非営利団体「スタンドアップ・アメリカ」はこう訴えている。 トランプは7月19日に放送されたFOXニュースのインタビューの中で、選挙に敗れたらどうするかという度重なる質問に、はっきりと答えなかった。草の根運動を展開する同団体はこれを受け、トランプは「アメリカの民主主義を脅かす」存在だと非難している。 トランプは選挙結果を受け入れるかという問いに対し、単純にイエスとは言えない」と答えた。「選挙で不正が行われれば辞めない」などと最後まで言い逃れを続けた。 スタンドアップ・アメリカはトランプのこうした発言について、票が投じられる前から、有権者の間に投票結果に対する疑念を植えつける「狡猾な」やり方だと批判している。11月の大統領選に関する各種世論調査では現在、民主党の指名獲得を確実にしているジョー・バイデンが優勢となっている。 トランプは(コロナ禍の影響で)急増している郵便投票について、本選の結果の正当性を損なうことになると証拠もなく繰り返し主張。「外国政府が数百万枚の郵便投票用紙を偽造して、一大スキャンダルになる!」などと根拠のない主張を行ってきた。 2024年以降も居座る トランプは2016年の大統領選についても、自分が一般投票で(クリントンに)負けたのは「何百万もの」不正投票があったせいだと主張したが、実際に不正投票があったことを示唆する証拠は出ていない。また米大統領は2期までという任期制限があるが、トランプは2期を超えて大統領の座にとどまる可能性も示唆しており、ツイッターに(2期目が終わる)2024年以降の4年毎の選挙スローガンを掲げる映像や、「トランプ2188」「トランプ9000」「トランプ4Eva(フォーエバー)」などの言葉を投稿している。 スタンドアップ・アメリカのショーン・エルドリッジ創業者兼社長は声明を発表し、トランプが選挙結果を受け入れるかどうか明言を拒んだことは、彼が「法の秩序をまったく尊重していない」ことを示していると批判した。 「トランプはこの5年間、外国政府に干渉をそそのかしたり、有権者の不正について根拠のない主張をしたり、2016年の選挙結果について嘘をついたりして、この国の選挙を台無しにしようとしてきた。アメリカ国民は、トランプが負けを認めることを拒んだ場合に備えるべきだ。我々はそれに立ち向かう備えをしておくつもりだ」 <参考記事>大丈夫かトランプ 大統領の精神状態を疑う声が噴出 <参考記事>「米コロナ致死率は世界最低」と繰り返すトランプの虚言癖 ===== スタンドアップ・アメリカは6月に、同じく草の根運動を展開する組織「インディビジブル」と共同で「プロテクト・ザ・リザルツ(結果を守れ)」運動を立ち上げた。トランプが選挙結果の受け入れを拒んだ場合、あるいは結果が確定していないのに勝利を宣言しようとした場合に行動を起こすために、「何百万人ものアメリカ人」のネットワークを築くことが目的だ。 「嫌な予感がしている。トランプは過去3年半、この国の民主主義を弱体化させ、制度化された規範を無視してきた」と、インディビジブルのエズラ・レビン共同事務局長は言う。「彼は11月3日の投票後にも、それと同じことをしようとしている」 トランプが選挙結果の受け入れについて明言しなかったことについては、米議員の間からの批判の声が上がっている。大統領選に向けて民主党から立候補を表明し、3月に選挙戦を撤退したエイミー・クロブチャー上院議員は、「(投票結果が尊重されるから)私たちは投票するのであり......議会と憲法があるのだ」とツイッターに投稿。「私たちは独裁体制下に暮らしている訳ではない」と主張した。 「公正な選挙ならトランプが勝つ」 ニュージャージー州選出のビル・パスクレル下院議員(民主党)は、こう述べた。「トランプだけではない。共和党の上院議員と下院議員あわせて248人のうち圧倒的多数が(弾劾裁判で)トランプを罷免せずに彼の権威主義を支持する票を投じた。共和党の指導部は、民主主義が自分たちの支配への脅威だと考えているからだ」 トランプ陣営の広報担当者であるティム・マートーは本誌への回答の中で、次のように述べた。「本人の希望に関係なく全ての登録有権者に投票用紙を郵送するなど、選挙を完全なものではなくそうとするのが、今や民主党の目標となっている。彼らは偽造投票への道を開こうとしている。郵便投票では、ニューヨークやニュージャージーなどで問題が起きている。死んだネコに投票用紙が送られた例もある」 マートーはさらにこう続けた。「こうした背景を考えると、ペテンの王様である民主党が11月に向けて何をしようとするか、分かったものではない。確かなのは、自由で公正な選挙では、トランプ大統領が勝利するということだ」 【注目の記事】 ・トランプに「英語を話さない」と言われた昭恵夫人、米でヒーローに ・【写真特集】ポルノ女優から受付嬢まで、トランプの性スキャンダルを告発した美女たち ・「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は? ・中国のスーパースプレッダー、エレベーターに一度乗っただけで71人が2次感染 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年7月28日号(7月21日発売)は「コロナで変わる日本的経営」特集。永遠のテーマ「生産性の低さ」の原因は何か? 危機下で露呈した日本企業の成長を妨げる7大問題とは? 克服すべき課題と、その先にある復活への道筋を探る。