<空を飛ぶ鳥のなかで最大級の種として知られるアンデスコンドルは、ほとんど羽ばたくことなく、空を飛んでいることが明らかとなった......> 南米のアンデス山脈で生息し、主にシカやウシなどの大型獣の死体を食べるアンデスコンドルは、体重が15キロにも達し、空を飛ぶ鳥のなかで最大級の種として知られる。このほど、この「最も重い鳥」は、ほとんど羽ばたくことなく、空を飛んでいることが明らかとなった。 5時間17分にわたって一度も羽ばたかずに172キロメートルを飛行 英スウォンジー大学、独マックス・プランク動物行動研究所、アルゼンチン・コマウエ国立大学の共同研究チームは、独自で開発したフライトレコーダーを若いアンデスコンドル8羽に装着し、それぞれの羽ばたき回数や飛行時間などを216時間にわたって記録した。 2020年7月13日に「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」で発表された研究論文によると、アンデスコンドルが羽ばたいた時間は飛行時間全体のわずか1%にとどまり、なかには、5時間17分にわたって一度も羽ばたかずに172キロメートルを飛行したものもいた。 アンデスコンドルの羽ばたきの75%以上は離陸時に行われていた。また、弱い熱上昇気流の間を移動する際にも、地上に近づきそうになると、羽ばたき回数が増えた。 研究論文の筆頭著者でマックス・プランク動物行動研究所の運動生態学者ハンナ・ウイリアムズ博士は「鳥は、気流に乗って移動コストを最小化できる気象条件下で飛ぶが、あえて『コスト』をかけて羽ばたき、飛行せざるをえないときもある」としたうえで、「いつ、どこで着陸するか、どのタイミングで気流間を移動するかを判断することは重要だ。一旦着陸すれば、また離陸する必要があるため、不要な着陸によって『飛行コスト』がかさんでしまう」と指摘している。 「ほとんど羽ばたくことなく飛翔するとは、衝撃的な発見だ」」 研究論文の共同著者でスウォンジー大学のエミリー・シェパード教授は、AP通信の取材に対して「コンドルは熟練したパイロットだが、これほどまでに飛行のエキスパートであるとは思わなかった」と驚きを示している。 また、米スタンフォード大学のデービッド・レンティンク博士は「コンドルがほとんど羽ばたくことなく飛翔するとは、衝撃的な発見だ」と述べている。また、この研究成果は、若いアンデスコンドルでさえ、気流に乗ってエネルギー消費を最低限に抑えながら効率的に飛行する術を身につけていることを示すものとしても注目されている。 研究チームでは、一連の研究成果をふまえ、コンドルの飛行中の判断プロセスについてさらに研究をすすめ、目に見えない気流の位置をどのように突き止めているのかを解明する方針だ。 =====