<新型コロナ危機の広がりと経済回復の見通しの暗さから、投資家は実物資産である金や銀に資金を移している。つまり、先行きの暗さの反映だ> 金の取引価格は1オンス=1943.93ドルに達し2011年9月に記録されたこれまでの最高値を更新した。その後28日のアジアでの取引では、初めて2000ドルを記録した。 外出禁止令により企業の閉鎖が余儀なくされていた時期に、米国政府は、経済を維持して一時過去された労働者に所得を補償するために多額の資金を借り入れた。 これにより通貨の価値は下がり、相対的に金などの実物資産の魅力が増しているというわけだ。 通貨は紙切れに過ぎないが 投資家たちは、金融資産の魅力が下がる不確実な時代になると、価値保存手段として金を利用する。オンライン取引プラットフォーム「アクティブ・トレーズ」のチーフアナリストを務めるカルロ・アルベルト・デ・カーサはガーディアン紙に対し、金は「通貨市場の混乱に対する保険」と見なされていると述べる。 「通貨は紙に過ぎないが、金と銀はそれ自体に価値がある。だから、現在のような不確実な時代においては優れた投資対象になる」 ニューヨークの投資管理会社バンエックのファンドマネージャー、ジョー・フォスターは、フィナンシャル・タイムズ紙にこう語った。「最近の金の値上がりを牽引しているのは、アメリカにおける新型コロナウイルスの感染拡大と、経済回復には思ったより時間がかかりそうだという厳しい認識だ」 「米ドルが弱含みで、銀価格が高騰しているということは、投機的資金が市場に入っている可能性もある」 「金価格は、実質金利とドルが下がると上がる」と、UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・エーフル最高投資責任者はガーディアン紙に語る。「それに加えて、経済の見通しが不透明で金採掘業者の設備投資を抑えていて金の供給量が限られているため、今後も金価格の上昇は続くとみられる」 オーストラリア・コモンウェルス銀行の採鉱・エネルギー商品アナリストのビベク・ダールは、7月27日にCNBSに対して次のように語った。「現在の勢いからすると、今後数か月で1オンス=2000ドルの大台も突破するだろう。問題はその後どこまで上がるかだ」 「投資家は今神経質になっている。不安心理が強いほど彼らは金に殺到する」と、貴金属ディーラーのジョシュア・ロットバートは言う。 (翻訳:ガリレオ) <参考記事>迷走続く米国の新型コロナウイルス対策 世界経済に最大のリスク <参考記事>安倍政権の新型コロナ経済対策しだいで、日本経済の未来が変わる 【話題の記事】 ・科学者数百人「新型コロナは空気感染も」 WHOに対策求める ・中国のスーパースプレッダー、エレベーターに一度乗っただけで71人が2次感染 ・傲慢な中国は世界の嫌われ者 ・「中国はアメリカに勝てない」ジョセフ・ナイ教授が警告 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」