<トランプ政権はアメリカの新型コロナによる死亡者の割合は世界で最も低いと主張し続けているが> アメリカで新型コロナウイルスの大流行が開始して半年以上。人口調整後のデータによれば、これまでのアメリカにおけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の致死率は、欧州連合(EU)とカナダの17倍以上になる。 オックスフォード大学の研究者らが運営しているサイト「アワ・ワールド・イン・データ」によれば、人口約3億2800万人のアメリカでは、新型コロナウイルスによる死者が、毎日100万人当たり平均約3人となっている。 一方、人口約4億4,600万人のEU場合、1日の死亡者数は100万人当たり0.18人。したがって、アメリカにおける新型コロナの死亡率はEUの約17倍を超えている。人口3800万人弱のカナダも新型コロナによる1日あたりの死亡者は100万人当たり0.16人にすぎない。 ニューヨーク・タイムズ紙の統計によれば、アメリカにおける新型コロナによる死者は、7日間の平均で1日あたり1000人以上。カナダでは7日間の平均は1日あたり約6人だ。 ジョンズ・ホプキンス大学の分析によると、新型コロナの感染拡大が起きている国の中で、アメリカの新型コロナによる死亡率は4番目に高く、人口10万人当たり45.24人が死亡している。1月末にEUから正式に離脱したイギリスは、感染が広がった国のなかで死亡率が最も高く、10万人当たり68.95人が死亡、それに続くペルーは10万人当たり57.58人、チリは49.05人が死亡している。 <参考記事>「BCGは新型コロナによる死亡率の軽減に寄与している可能性がある」と最新研究 <参考記事>日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいっている不思議 死亡率は最低とトランプ 全米で感染者数が急増し、死者数も増えているというに、ホワイトハウスは、アメリカにおける死亡率は世界で最も低い、と真実とは程遠い主張を繰り返してきた。 ホワイトハウスのケイリー ・マケナリー大統領報道官は7月6日、保守系メディアFOXニュースに対し、「わがアメリカ社会は前進した。新型コロナ感染者の死亡率は全世界で最も低い。ドナルド・トランプ大統領もこの後、ツイッターで同じ嘘を流した。 7月19日に放映されたFOXニュースのインタビューで、トランプはこの間違った情報を繰り返し、「アメリカの死亡率は世界的に見てかなり低いほうだと思う」と発言した。だが司会のクリス・ウォレスは事実を確認し、その情報は間違っていると指摘した。 それに対しトランプは言い張った。「アメリカの死亡率は世界最悪だと君は言うが...、一番低いはずだ」とトランプは言い張った。 本誌はホワイトハウスにコメントを求めたが、回答はまだ得られていない。 アメリカの新型コロナウイルスによる感染者と死亡者の数は世界で最も多い。7月28日の時点で確認された感染者は430万人以上、死者は15万人近く。新規感染者数の7日間の平均は1日あたり6万5000人を超えている。27日には1696人の死亡が報告された。 (翻訳:栗原紀子) 【話題の記事】 ・科学者数百人「新型コロナは空気感染も」 WHOに対策求める ・中国のスーパースプレッダー、エレベーターに一度乗っただけで71人が2次感染 ・傲慢な中国は世界の嫌われ者 ・「中国はアメリカに勝てない」ジョセフ・ナイ教授が警告 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」