<過剰とも思えるアメリカのマスク嫌いは「個人の自由」を懸けた戦い。11月の大統領選に向けてますますエスカレートする?> 米ミズーリ州のピザ店で8月2日、マスクをしていないことを理由に入店を断られた女性客(27歳)が、店員らに向けて催涙スプレーを噴射する事件が起きた。場所は、セントルイス市内サウス・リンドバーグ大通りにあるレストラン「インクレディブル・ピザ・カンパニー」。 通報を受けて警察が到着したのは午後4時30分ころ。マスクの着用を拒否するこの客に、店外に出るよう店員が求めたことがきっかけで激しい口論になったという。 女性客にはその後、傷害容疑で出頭命令が出された。 インクレディブル・ピザ・フランチャイズグループのマーケティング担当副社長、アンディ・ティームは、本誌に対してこう述べた。「ありがたいことに、巻き込まれた従業員たちは全員無事だ」 「各地のインクレディブル・ピザを訪れる数万の客のうちこれまでたった3人とはいえ、マスクを拒否した来店客がいたのは残念だ。公共の場でマスク着用を義務付けたセントルイス郡の規制に従おうとしなかったのだ」 「当社のメディアパートナーならびに周囲からの圧力によって、マスク着用に関する社会の意識が高まり、今後は、当店スタッフが来店客の入店を拒否しなくてもよくなることを望む。そうすれば、インクレディブル・ピザを訪れた来店客は、楽しく安全に時間を過ごせるようになるだろう」 セントルイス郡ならびにセントルイス市は、7月3日に新たな公衆衛生命令を発令。9歳以上の人は、屋内にいるとき、また屋外にいてもソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)が確保できないときは、常時マスクを着用することが義務づけられた。 セントルイスのライダ・クルーソン市長は発令時に、「マスクまたはフェイスカバーの着用義務化は、地域全体がこのウイルスとの戦いで後退せずに済むようにするための重要なステップだ」と述べていた。 「マスクの着用は、市中でのウイルス拡散速度を鈍らせると同時に、各企業が営業を継続し、人々が安全かつ責任ある方法で夏を楽しめるようにするための、効果的な方法だ」 マスク着用を求める従業員が被害に マスクの着用を拒否するこうした揉め事は、これまでも全米で起きている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生して以降、従業員がマスク着用の方針に従うよう客に強く求めた結果、暴言を吐かれたり暴行を受けたりするケースは少なくない。 ワシントン州では、ピザ店「パパ・マーフィーズ」で、食事の提供を拒まれたマスクなしの女性客が、自分にはピザを受け取る権利があると主張し、従業員に怒鳴り散らした。客はその際に、障害を理由にした差別を禁止した法律「障害をもつアメリカ人法(ADA)」を引き合いに出し、自分には医学的な障害があるからマスクを着用する必要はないのだと主張した。 <参考記事>コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず <参考記事>マスク姿のアジア人女性がニューヨークで暴行受ける ===== カリフォルニア州サンフランシスコでは7月、バスの運転手が男性乗客3人にマスクを着けるよう数回にわたって注意したところ、襲撃される事件が起きた。サンフランシスコ市では、バス乗車時にマスク着用が義務づけられている。警察によるとバスの運転手は、乗客3人がマスクの着用を拒んだので、彼らを下車させるためにバスを停車すると、乗客の1人に木製バットで殴打されたという。 マスク着用を拒む乗客や買い物客に注意したほかの客が、敵意を向けられたり暴力を受けたりする事件もある。 ブロガーのぺレス・ヒルトンがツイッターに投稿した動画には、カリフォルニア州のスーパーマーケットで、ほかの買い物客からマスクを着用するよう注意された女性客が、「駐車場で撃ってやる」と脅している様子がおさめられている。 NRA Karen! This Karen got so mad that a fellow shopper at Stater Bros supermarket in Beaumont, California, was filming her fit over refusing to wear a mask - that she threatened to SHOOT HIM!!!!! pic.twitter.com/7T1pWZFvhY— Perez (@ThePerezHilton) July 23, 2020 ワシントン州の食料品店では、マスク着用を拒否する女性客が、ほかの客たちに対して暴言を吐き、自分が買い物している通路から離れろと怒鳴り続けるひと幕があった。 Religious anti-masker with a terrible hair stylist won't let anyone in the aisle until she can pick out what she wants pic.twitter.com/LuXG09E7Gu— Fifty Shades of Whey (@davenewworld_2) July 21, 2020 BBCによれば、マスク着用をめぐる争いは11月の大統領選に向けてますます激しさを増している。マスクをするかしないかは、公共の安全を重視する民主党支持者と個人の自由を重視する共和党支持者という長年の党派争いに根差しているからだ。 (翻訳:ガリレオ) 【話題の記事】 ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開 ・台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死 ・中国は「第三次大戦を準備している」 ※画像をクリックすると楽天ブックスに飛びます2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか ===== NRA Karen! This Karen got so mad that a fellow shopper at Stater Bros supermarket in Beaumont, California, was filming her fit over refusing to wear a mask - that she threatened to SHOOT HIM!!!!! pic.twitter.com/7T1pWZFvhY— Perez (@ThePerezHilton) July 23, 2020 Religious anti-masker with a terrible hair stylist won't let