<新型コロナウイルス感染症予防ワクチンは、世界各国で研究開発が行われているが、米国で3人に1人、英国で6人に1人が、ワクチン接種に消極的であることが明らかとなった......> 新型コロナウイルス感染症予防ワクチンの研究開発が世界各国で活発にすすめられている。2020年7月31日時点で、米ファイザーや英アストラゼネカが第3相試験に着手したほか、26種類のワクチン候補について臨床評価が開始され、139種類で非臨床評価が行われている。 新型コロナウイルス感染症を終息させるためにはワクチンが不可欠だが、米国で3人に1人、英国で6人に1人が、予防接種に消極的であることが明らかとなった。 共和党支持者はワクチン接種に同意が47% 米国の世論調査会社ギャラップは、2020年7月20日から8月2日にかけて18歳以上の米国成人7632名を対象にアンケートを実施。 GALLUP社より 「アメリカ食品医薬品局(FDA)が承認した新型コロナウイルス感染症予防ワクチンが今すぐ無料で接種できるとしたら、予防接種に同意するか」とたずねたところ、65%が「同意する」と回答した一方、35%が「同意しない」と答えた。支持政党によって予防接種への意思にも違いがみられる。民主党支持者のうち81%が「予防接種に同意する」と答えた一方、共和党支持者で「予防接種に同意する」と回答したのは47%にとどまった。 これまでも、安全性への懸念や陰謀論など、ワクチンにまつわる様々な議論があったhが、議論の焦点は、従来から変化し、個人の自由や政府の介入の是非へと移りつつある。米カリフォルニア大学リバーサイド校の医療社会学者リチャード・カルピアーノ教授は、サイエンス系メディア「ZMEサイエンス」の取材に対して、「ワクチンをとりまく議論は変化し、個人の自由や選択の観点から、議論されるようになってきた。つまり、これは一種の自由にまつわる議論であり、完全自由主義的な意義をより訴えるものになっている」と指摘する。 ●参考記事 反ワクチン派がフェイスブック上での議論で優勢となっている理由が明らかに イギリスでも、政府や科学への姿勢が影響 英国でも、英キングズ・カレッジ・ロンドンと市場調査会社イプソス・モリが、7月17日から21日にかけて16歳から75歳までの英国居住者2237名を対象に同様の調査を実施した。 ===== 「新型コロナウイルス感染症予防ワクチンが接種できるようになれば、予防接種したい」と答えたのは53%であった一方、16%は「予防接種しない」と回答。「予防接種しない」と回答した割合は若年層のほうが高く、16歳から34歳までは22%であった一方、55歳以上では11%にとどまった。 英国でも、米国と同様に、科学や政府に対する姿勢や考え方が予防接種の是非の判断に影響しているとみられる。「政府はマスク着用の強制によって国民をコントロールしようとしている」と考えている人や「個人の意思決定は尊重されるべきである」と考える人は「予防接種しない」と答える傾向が強い。 この調査を主導したキングズ・カレッジ・ロンドンのボビー・ダフィー教授は、英紙ガーディアンの取材に対して「全体でみれば、予防接種に消極的なのは6人に1人程度だが、特定のグループではその割合が3分の1以上と大きくなっており、陰謀論の信奉や政府、当局、科学への不信との関連が認められる」と述べている。