中国共産党に批判的な論調で知られる香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)は、創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏の逮捕から一夜明けた11日、1面に「アップル・デイリーは戦わなければならない」との見出しを立て、警察に連行される黎氏の写真を掲載した。香港市内では、早朝から同紙を買い求める市民の長い列ができた。 香港警察は10日、アップル・デイリーのオフィスの強制捜査を行い、香港国家安全維持法違反の疑いで黎氏を逮捕した。 警察当局は12日未明になって黎氏を保釈。弁護士に付き添われ姿を現した黎氏に対し、集まった多くの支持者らは「最後まで闘う」「アップルを支援する」などと声を上げた。 同紙は11日、発行部数を通常の10万部から50万部に拡大。労働者階級の人々が多く住む旺角(モンコック)地域では、午前2時から新聞を買う人の列ができ、朝の通勤時間帯には売り切れる店もあったという。 同紙を購入したある女性(45)は「昨日警察が行ったことは、報道の自由への容赦ない介入だ」と批判。「良心のある香港市民は全て、香港とアップル・デイリーを支援する必要がある」と訴えた。 黎氏は、外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた疑いがあるとして逮捕された。複数の香港メディアによると、民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏も香港への制裁を外国に働き掛けたとして香港国家安全維持法違反の容疑で逮捕された。 中国本土から12歳のときに密航して香港に逃れた黎氏は、香港民主化運動の熱心な支持者として知られる。 当局は11日に周氏も釈放。同氏は一連の逮捕を「政治的迫害」と非難し、「体制が反対派抑圧のために国安法を利用しているのは明らかだ」と訴えた。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【関連記事】 ・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見 ・韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット 一方で「TPOをわきまえろ」と論争に   ※画像をクリックすると楽天ブックスに飛びます2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか