<コロナ禍で家にいることが増えて、初めて韓流ドラマを見たという人も多いが、その韓国で今年話題になったドラマは......> 今年上半期は、世界中のエンタメ・コンテンツが、コロナウイルスの感染拡大の打撃を受けたが、その一方ではロックアウトなどで自宅にこもっている際のお供としてネットフリックスが大健闘した。その結果、ネットフリックスで配信された『愛の不時着』『梨泰院クラス』『キングダム』など韓国ドラマが注目され、これが引き金になって、日本では「第3次韓ドラブーム」が巻き起ったと言われている。 今回の韓ドラブームは、若い層やそれまで韓流コンテンツに興味がなかった男性にも浸透しているあたり、新たな韓国エンタメファンを増やすのに大きく貢献することとなるだろう。 では、現地韓国内では、今年上半期一体どのようなドラマが人気を集めたのか、今回は韓国内での人気ドラマランキングを見てみよう。 視聴率と視聴者数 韓国では、一般的に日本と同様「TV視聴率」が人気のバロメーターに使われるが、それと同時に「視聴者数ランキング」と呼ばれる基準も存在する。視聴者数は、該当時間にTVをつけた人のうち、その番組を視聴した実員を計算する方式である。映画でも作品のヒット具合を観客動員数で発表することが多い韓国では、日本のような興行収入額基準よりも人数結果になじみがあるのかもしれない。 また、韓国は地上波局数が少なく、ほとんどの家庭が総合編成チャンネル(BSヤケーブル向けの放送)とケーブル放送も見ることのできる有料放送パッケージに加入している。一般的に地上波視聴率は、全国主要13地域を対象とし、有料放送加入家庭と未加入受信家庭を合わせて計算する。しかし、非地上波(総合編成チャンネル)とケーブル放送の番組に対しては、全国を対象にして有料放送加入世帯だけで集計するため、非地上波と地上波の正確な視聴率を出しにくい。 そういった理由で、今回視聴率調査機関が発表した2020年上半期「視聴率ランキング」と「視聴者数ランキング」の結果が多少違っている。今回は公平に両方の順位を紹介する。 【話題の記事】 ・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見 ・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる   ===== 『愛の不時着』制作発表でのヒョンビンとソン・イェジン。ソン・イェジンは8月末に日本向けオンラインファンミーティングも行うほどの人気となっている。 뉴스킹 / YouTube 『愛の不時着』は視聴者数で3位 まずは視聴者数ランキング・ベスト3。第3位は、言わずと知れた人気ドラマ『愛の不時着』(視聴者数:333万4033名)だ。ネットフリックスの配信によって、韓国のみならず世界中で大ヒットした。韓国から竜巻によって北朝鮮に不時着してしまった財閥の令嬢と、北朝鮮軍将校との恋愛模様を描くという、分断国家ならではの設定が興味深い。シナリオ準備段階から多くの脱北者たちに取材したとあって、ベールに包まれた北朝鮮の生活が垣間見られるのも魅力の一つである。韓国ドラマがどうも苦手だった筆者も、北と南では違う単語の使い方などが面白く、一気に視聴してしまった。 視聴者数第2位は、社会的ブームにもなった『夫婦の世界』(視聴者数:335万2475名)だ。非地上波ドラマ歴代最高視聴率を更新するなど、大きな話題となった作品で、英BBCの大人気ドラマ『女医フォスター 夫の情事、私の決断』の韓国リメイク版である。簡単に言うと韓国語で"マクチャンドラマ"と呼ばれる、夫に不倫された女性の復讐劇なのだが、目が離せないストーリー展開とヨーロッパ映画のような映像が話題になった。演出の過激さから途中数話には18歳以上観覧可能のR指定が付けられたほどだ。 キム・ヒエが主演し、スキャンダラスな内容と従来の韓国ドラマとは一線を画す映像で今年前半話題を呼んだ『夫婦の世界』 뉴스킹 / YouTube 大ヒット医療ドラマ、4年ぶりの続編が1位 そして、栄えある視聴者数第1位は、『浪漫ドクター キム・サブ2』(視聴者数:344万6716名)だ。タイトルに2と付いているのを見てわかるように、前作『浪漫ドクター キム・サブ』の続編であり、前作から3年ぶりにスタッフ・キャスト再結成で制作された。ドラマの続編が作られるのは、韓国では珍しいが、それだけ人気を博していた証拠である。 変わり者だが天才肌の外科医と、その周囲の人々を描いた本格的医療ドラマで、映画でもすっかりおなじみの実力派俳優ハン・ソッキュが主人公キム・サブを演じている。他にも映画でよく見る顔がバイプレーヤーとして脇を固めているため、演技も安心してみることができる。医療物がお得意の放送局SBSのドラマだけあって、見どころの一つでもある緊迫感ある手術シーンもリアルだ。 韓国では、昔から医療ドラマの人気が高い。理由の一つは憧れの職業であること。そして、ドラマの舞台が大病院である場合、韓国ドラマでは欠かせない財閥の要素も含まれるので権力と闘う姿が描かれ視聴者の心をつかむのだろう。また、主人公は外科の設定だが、病と闘う主人公たちは、コロナ禍での医療従事者と重なって応援したくなる。日本では8月22日よりKNTVにて放送が決定しているようなので、医療ドラマ好きな方はぜひチェックしてみて欲しい。 【話題の記事】 ・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見 ・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる   ===== 視聴率ランキング3位はナム・グンミン主演で野球ビジネスを描いた『ストーブリーグ』 뉴스킹 / YouTube 視聴率ランキング3位は球団ビジネスを描いた作品 では、2020年上半期視聴率ベスト3はどうなっているだろうか。視聴率では、視聴者数のランキング1位と2位が入れ替わり、1位『夫婦の世界』、2位『浪漫ドクター キム・サブ2』という結果だった。そして、3位にランクインしたのは、プロ野球球団を舞台に、選手ではなくゼネラルマネージャーや運営陣を中心としたストーリー展開が話題を呼んだ『ストーブリーグ』である。 古今東西、弱小スポーツチームの逆転優勝劇は人気のジャンルだ。しかし、一般的には選手と監督やコーチとの感動の絆を描くことが多いだろう。だがこのドラマの興味深いポイントは、選手ら表舞台に立つ者達はもちろんだが、マネージャー、選手スカウトチーム、広報、戦力分析チーム、運営スタッフなど裏方の人々を中心に話が展開する点だ。スポーツ系のサクセスストーリーを楽しめるのと同時に、お仕事系ヒューマンドラマとしての見方もできる。 ちなみにこのドラマも『浪漫ドクター キム・サブ2』と同じSBSのドラマ。SBSは視聴者数ランキングでは1位から15位までに7作品もランクインし、KBSやMBCが低迷するなか、唯一の地上波民放としてヒットを連発した。 アメリカでリメイクされる作品も 韓国ドラマは今、ネットフリックスの配信に乗って世界中から注目を浴びている。その証拠に、去年視聴率記録を出し社会的ブームとなったドラマ『SKYキャッスル』はアメリカでのリメイクが決定している。その他にも、幽霊専門のゴーストホテルを舞台にした『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』、日本でも中井貴一主演でリメイクされた『記憶』、韓国内で一番多忙とされる警察署を舞台に、悪と戦う警官たちを描いた『ライブ ~君こそが生きる理由~』なども、すでにアメリカでのリメイク版権が販売済みである。 韓国ドラマは日本に比べて1話が65分程度と長く、全体で16〜20話前後と多い。そのため、登場人物を多くして、話をより深堀りすることが出来る。そして、韓国映画同様、社会情勢や社会的な問題を説教くさくならない程度に、上手く取り入れているのも韓国ドラマの特徴だろう。 また、俳優だけでなくスタッフも、映画とドラマの垣根を越えてどちらでも活躍する人が増えたため、ドラマの画面のクォリティーが急速に上がったことも、世界から受け入れられる要因となった。韓国ドラマは今後も世界からの注目の的になっていくことだろう。 【話題の記事】 ・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見 ・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。 ===== 視聴者数ランキング10位から1位まで一気に見る 今年上半期、韓国でもっともヒットしたドラマは? 뉴스킹 / YouTube