<「若くて健康な」学生たちがキャンパスに戻ったら、行動変容はやはり絵に描いた餅だった> 新型コロナウイルスの感染拡大で休校していたアメリカ各地の大学が、授業を再開し始めている。しかし、感染拡大はまだ続いているというのに、多くの学生は感染予防に協力せず、パーティーを開いて乱痴気騒ぎを続け、マスクも着用しようとしない。たちまち、キャンパス内で複数のクラスター感染が起こった大学もあり、大学は頭を痛めている(8月に学校再開せよ、というのは、経済を再活性化したいドナルド・トランプ大統領の強い要請だった)。 ジョージア州ダロネガにあるノースジョージア大学では8月15日、キャンパスの外にある集合住宅で開かれた大規模なパーティーに学生が参加。マスクを着けずに踊ったり飲んだりしている様子が動画にとらえられた。 同大学のコミュニケーション責任者シルヴィア・カーソンはCNNへのメールでこう述べた。「当校の多くの学生が、新型コロナウイルス感染症の予防ガイドラインを無視し、ソーシャル・ディスタンスもマスクもなしに大勢で集まっていたことに失望した」 ジョージア州ではマスク着用は義務ではないが、ノースジョージア大学は独自に、大学の建物ではマスクを着用するよう求めてきた。それも無駄だったようだ。ジョンズ・ホプキンズ大学によると、ジョージア州の感染者は約23万7030人、死者は4702人に達している。 「なぜだ?」市長の嘆き アラバマ州タスカルーサのウォルター・マドックス市長は、アラバマ大学の学生たちがマスクを着けずに集まっている写真をツイッターに投稿し、こう嘆いた。「なぜだ? 私たちはタスカルーサ市を守ろうと必死になっているのに」 全米各地の大学で授業が再開されるとともに、新型コロナウイルスのクラスターも増加している。 ノースカロライナ大学では同時に複数のクラスターが発生している。大学ウェブサイトによると、直近では男子学生組織シグマ・ニュー・フラタニティで多数の感染者が出たほか、3つの学生寮でもクラスターが確認された。 オクラホマ州立大学でもクラスターが1件発生し、パイ・ベータ・ファイ女子寮に住む学生23人が陽性と確認されたと、地元紙オクラホマンが報じている オクラホマ州立大学の広報担当モニカ・ロバーツは同紙に対し、「2万人の学生が戻って来れば、キャンパスで感染者が増えるのは当然だ。私たちは5カ月間、こうした事態に備えてきたし、対応するための準備は整っている」と述べた。 同じく学生組織やパーティーでクラスターが発生したカリフフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部のアート・ラインゴールドも、これは予期した通りの事態だとAP通信に語った。「若くて健康な学生たちに、行動変容を求めるのは簡単なことではない」 (翻訳:ガリレオ) <参考記事>コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず <参考記事>あまりにも悲痛な事態を前に言葉を失うアメリカ社会 【話題の記事】 ・イタリアを感染拡大の「震源地」にした懲りない個人主義 ・「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。