<アンチ文在寅を叫び、コロナは外部からのバイオテロだと叫ぶ教団が、韓国を再びコロナ禍に突き落とした> 世界的な新型コロナのパンデミックからもうすぐ半年近くになるが、感染拡大が始まった頃に比べ、気の緩みが見え始めた頃に起こるのが感染第2波だ。日本でも7月からまた徐々に感染者数が増加し心配されているが、お隣の国・韓国でも先週からついに第2波到来かと危惧されている。 韓国は初期の見事な抑え込みが話題となり、4月19日にはひと桁台を記録、その後も全国の感染者が30~50人前後に落ち着き、このまま終息に向かっていくのかと思われていた。ところが、先週8月13日には103名と3ケタ台になり、8月18日には297名と急速に感染が拡大し始めている。 感染第2波も宗教団体がクラスターに そもそも韓国で初期に急速に感染が始まったのは、新天地イエス教団のクラスターが原因だったと言われている。そして、今回の第2波感染拡大も、なんと同じく宗教団体でのクラスターから発生した。 今回、集団感染が発覚したのは「サラン第一教会」だ。1983年にチョン・グァンフン牧師によってソウル市城北区に創立され、登録信者は約3000〜4000人と言われている。 一見、韓国の街でよく見かけるプロテスタント系の教会のように見えるが、実は極右的政治団体の一面も持ちあわせている。2000年中盤頃からデモ集会に積極的に参加するようになり、昨年10月には、大統領官邸である青瓦台の前で行われたデモ集会で、チョン牧師が「神を馬鹿にする者は、私が死に陥れる」という言葉を発し、キリスト教界で神聖冒涜や異端議論が提起されていた。 コロナウイルスに対しても独特な考えを持っており、「コロナは外部からのバイオテロによるものだ。負けてはいけない」などと布教している。 テロ組織のように周到に用意してデモを決行 さらにチョン牧師は、政府や警察の集会禁止令を無視し、8月15日の光復節に文在寅政権糾弾デモ集会をソウル市中心部の光化門前広場で決行した。この集会でクラスターが発生し、感染をさらに拡大したのではないかとみられている。 デモから2日後、チョン牧師は陽性が確認され、信者やデモ参加者の感染も次々と発覚している。保健所は、まだ検査を受けていない信者に検査を受診するよう要請しているが拒否する者が多い。 また韓国メディアによると、デモ集会前後には「クレジットカードの使用を禁止し、GPSでの追跡を逃れるため携帯電話の電源を切っておくように」と、信者同士で注意喚起のやり取りが行われており、足取りがつかみにくくなっているという。 ===== ラジオ局が24時間停波という異常事態も 今回の感染第2波は、様々な方面へ影響が出ている。日本で賛否両論が飛び交ったGoToキャンペーンだが、韓国でも同じように政府主催の宿泊割引クーポンを配布していた。日本同様、観光客減少によって売り上げが落ち込む旅行業界を救済するためのキャンペーンだったが、今回、感染第2波が広まったことを受け19日に予約の中断を発表した。 さらに、コロナ感染拡大当初から大きなあおりを受けたが、徐々に回復の兆しを見せ始めていたエンターテインメント業界にも影響が出始めている。ラジオ局CBSでは、『キム・ヒョンジョンのニュースショー』に出演していた記者の感染が発覚したため、19日から24時間放送中止という異例の事態となった。 テレビ業界も多くの人が出入りするため、感染防止に気を配ってはいたものの、徐々に感染者が増え始めている。19日KBSドラマ『あいつがそいつだ』では、出演中だった俳優ソン・ソンジュン氏がコロナに感染したと発表、撮影の中断を余儀なくされた。また、このスタッフのうち数人は『ドドソソララソ』という別のドラマも掛け持ちしていた為、こちらの撮影中断も発表された。 教育系の放送局EBSでは、『Kpop韓国語』のプロデューサー1名と、出演者3名も感染が発覚した。調査により14日の収録の際に感染したものとみられ、現在濃厚接触者を含む全員の隔離体勢に入っている。 演劇・ミュージカル界でも感染や公演中止が 日本でも、演劇公演でクラスターが発生したが、韓国でも同じく演劇・ミュージカル業界でのクラスターが深刻化している。まず、ドラマ出演中に感染発覚したソン・ソンジュン氏が19日から30日まで出演予定だった演劇『チャンポン&牛』は、ソン氏のほかスタッフ出演者合わせて39名が検査を受け、現在15名の感染が発覚したことをSNSを通じて発表した。7名が陰性で、残りは結果待ちの状態だという。もちろん、上演は中止が決定している。 また、ドラマ『あいつがそいつだ』に出演した俳優2名が、オファーされていたミュージカル『Bare The Musical』は、19日この俳優2名の降板を発表した。ソン氏との濃厚接触などはなかったが、スタッフや小道具を通じての感染もあり得るため、万が一に備えてキャストの変更をしたという。 その他にも、舞台『ワイフ』の出演俳優が使用した練習室を、その数時間前に感染者が使っていたことが発覚し、降板騒ぎとなった。また、ミュージカル『Something Rotten!』の出演俳優も感染者と接触したことが分かりキャスト変更が行われた。この俳優は後に陰性判定が出ている。 またスタッフ・出演陣に感染者が出ていなくても、感染拡大防止のため公演を中止する動きが見え始めた。ミュージカル『モーツアルト!』は今月23日まで行われるはずだった上演を、3.4日早める予定と発表している。上演中だったミュージカル『マーダーバラード』と、演劇『花煎歌』は上演の中止が、ミュージカル『ショーマストゴーオン!』は上演の無期延期が発表された。 ===== 映画界、観客動員が1日で3分の1に もちろん、演劇業界だけでなく韓国映画業界も大きなダメージを受けている。韓国映画振興委員会の発表では、1日あたりの全国観客動員数が、今月17日は約40万5千人だったのに対し、翌18日は約14万5千人と落ち込んだ。これは8月の最低観客動員数を更新したことになる。17日は振替休日だったということもあるが、このまま観客が映画館に戻らなければ、せっかく映画関係者たちが割引クーポンや名作上映、貸し切りイベントなどで何とか危機を乗り越え、やっと上向きになってきた客足をすべて無駄にしてしまいかねない。 客足が遠のきそうな雰囲気を察知して、19日公開予定だった韓国映画『国際捜査』は関係者試写会及び公開を延期した。2092年を舞台にした韓国発宇宙系SF大作として注目を集める映画『SPACE SWEEPERS(原題:勝利号)』は、制作報告記者会見を急遽オンラインで行った。今のところ9月23日の公開で決定されているが、今後の感染拡大の動きによってはまだどうなるかは未定である。 映画といえば大小さまざまな映画祭のある韓国だが、今年はほぼオンライン映画祭に変更されていた。そんな中、やっとオフラインでの映画祭に切り替わるかと期待されていた「EBS国際ドキュメンタリー映画祭」も、第2波コロナショックで予定の変更を余儀なくされた。 これまでの感染対策が振り出しに 韓国は、これまで国民一丸となってコロナの抑え込みに成功していた。エンタメ業界も徐々に復活の兆しを見せ始めるなど、嬉しいニュースを目にすることが増えてきたのも束の間、一部の身勝手な人たちによる行動でまた振出しに戻ってしまった。 筆者の映画関係のたくさんの友人たちも、エンタメの灯を消してなるものかと、廃業寸前に追い込まれながら歯を食いしばって頑張ってきていたた。サラン第一教会はウイルスをまき散らすことによって、人の人生を狂わせる行為をしている自覚はあるのだろうか? 【関連記事】 ・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見 ・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。 ===== これが感染第2波の元凶、チョン・グァンフン牧師だ 韓国の新型コロナウイルス感染拡大は、第1波も第2波も宗教団体のクラスターが原因になっている。 MBCNEWS / YouTube