<サラン第一教会のクラスターが感染第2波へ拡大している韓国。集会の制限などの感染対策には反発の声も> 新型コロナウイルスの感染第2波が到来した韓国で23日、過去24時間のコロナウイルス感染者が、3月初めから最多の397名を記録してしまった。ここ数日で、全国の感染者数が300名を超え、各地でクラスターも発生している。 感染者数が増えると同時に、症状が重症化する患者も増加しているようだ。現在韓国内での重症患者は32名と発表されていて、これはここ3日間で2倍に増加したことを意味している。 今後、現在の軽症者の中からも重症化する患者が出てくる可能性が高い。現在の重症患者年齢内訳を見ると、60代が15名と最も多いが、30代40代も1名ずつ入院しており、現在病院でコロナウィルスと戦っている。 しかし、韓国首都圏にある重症患者のための病床稼働率は60%を超えている状態だ。このまま持ちこたえて欲しいが、最悪の場合医療崩壊もしかねないと心配されている。 韓国政府は早速緊急命令を出し、今回も素早い対応を見せている。23日、ソウル市はコロナ対策ブリーフィングにて、24日午前0時より屋内外でのマスク着用義務化令を発令した。続いて、大邱市や世宗市でもマスク着用義務化令を発令しており、今後の感染拡大状況に応じで、全国のその他主要都市でも発令される見込みだ。 結婚式を中止に追い込まれるカップルも マスク着用令発令に先立つこと4日前、感染拡大が深刻化し始めた19日には、既にクラブや居酒屋、カラオケなど「夜の街」関連の店舗、更にはクラスターが発生しやすいジム、ビュッフェ式レストラン、訪問販売、個人ではない大型経営の塾、ネットカフェなどの店舗へ緊急運営禁止令が出されている。 さらに物議をかもしているのが、「屋内で50人以上の博覧会、展示会、結婚式等の禁止令」である。これにより、かねてから計画していた結婚式を、中止せざるを得ないカップルが続出した。 韓国も日本同様、結婚式場は数カ月前からの予約が必要だ。日本よりもカジュアルではあるが、招待状を作って送ったり、歌のコーナーで"祝歌"を歌う人をブッキングしたりとなかなか大変である。今週中止して来週に延期しようという問題ではない。そして何より、延期や中止の違約金問題もある。結婚式を予定していたカップルらの中には、中止や延期の違約金の免除や、国からの負担を願い出る声もあるようだ。 【関連記事】 ・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か ・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる   ===== パッピンスのシェアで6人に感染広まる 一方で、この禁止令には一般飲食店、ショッピングモール、カフェなどは含まれていない。結婚式を禁止するのにも関わらず、同じく50人以上が来店するとみられる大型の店舗での運営は許可されている矛盾に納得のいかない人も多い。 特にカフェの場合、ここ数日クラスターが発生している。ソウル市からほど近いパジュ市のスターバックスでは、23日午後の発表時点で累計64名の感染者が発生し、現在も数人の検査結果待ちだという。 さらに、「同じ釜の飯を食べる」という文字通りの文化がある韓国では、大皿や鍋から皆でシェアして食べることが多いが、これがクラスター発生の原因となってしまった。18日、京畿道にあるカフェA TWOSOME PLACEでは、日本の若者にも人気がある韓国式かき氷パッピンスをシェアして食べたことが原因で、7人で来店したグループの全員が感染したという。調査後、7人のうち20代のAさんが感染源だということが分かっており、改めてコロナの感染力の高さを実感する事件だ。 感染対策を口実にデモを禁止? 今回新しく出された集会禁止令は屋内ばかりではない。ソウル市は8月30日まで屋外での10人以上の集会を禁止した。これに対し一部ネチズンらの中では、感染拡大を防ぐよりも、文在寅政権への不満が高まるなか、反政府デモを行えないようにしているのではないかという意見もある。 たしかに、8月に入り文在寅大統領の支持率は低下し続けていた。今月3週目には少し上向きになったものの、洪水被害やコロナ第2波などでフラストレーションの溜った韓国人が、政府に不満をぶつけたくなる気持ちもわからないでもない。日本でも報道されているのでご存じの方も多いと思うが、韓国人のデモ集会のパワーは強烈である。政府が集団となった市民の訴える力を恐れている可能性は十分にあるだろう。 さらに、禁止令はこのような事にまで影響が出ている。今週26日に予定されていた「元ソウル市長 故パク・ヨンスン氏の四十九日法要」が急遽オンラインで行うよう変更された。この発表に対し、一部の市民たちは「今結婚式も中止している状況で、オンラインであれ行事が公式に行われること自体信じられない」「お葬式すらあげられない人がいるのに、四十九日だなんて。家族だけでやってくれ」と不快感を示している。これだけ元ソウル市長に対し拒否反応が現れた背景には、その自殺の理由が、元秘書へのセクハラを訴えられたからとみられているためだ。 韓国はこれまで、徹底した検査と追跡、そして世界の人々をあっと言わせたアイデアで新型コロナの感染の見事な抑え込みを成功させてきた。熟考を重ねに重ねて実現するよりは、とりあえずいい案があれば採用しやってみるという韓国人特有のスピーディーさも成功の秘訣なのではないだろうか。今回の数々の禁止令も、驚くべきスピードで決定しすぐさま発令されている。今回の第2波も、きっと前回の第1波のときのように見事に立ち回って、これ以上の感染拡大を押さえてくれることを期待している。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【関連記事】 ・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か ・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。 ===== 反文在寅デモからの感染拡大が止まらない 8月15日の反文在寅デモに参加した人たちからの感染が止まらない韓国。 YTN News / YouTube 【関連記事】 ・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か ・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。