<検体に含まれるウイルスの数が少ないと、陽性と陰性の区別ができず「偽陽性」になってしまう> スウェーデンの公衆衛生局は8月25日、中国から輸入した新型コロナウイルス感染症の検査キットで、数千件の「偽陽性(感染していないのに陽性反応が示される)」が出たと発表した。 公衆衛生局の声明によれば、問題のPCR検査キットは、中国のゲノム解析大手、「華大基因」グループの傘下のBGIゲノミクスが製造したもの。2つの研究所で行われた通常の品質管理チェックの中で、偽陽性が出ることが判明した。検体に含まれるウイルスの数がきわめて少ない場合に、陽性(感染)と陰性(非感染)の区別ができなかったためだ。 同局によれば、スウェーデンでは3月から8月にかけて、自宅で検査を行った人々がこの検査キットを使用。約3700人に偽陽性の検査結果が出たという。 「2つの研究所で、国内10地域から集めた検体の分析を行った。その結果、首都ストックホルム、ヴェストラ・イェータランド県、イェブレボリ県、ヴェステルボッテン県、ヴェストマンランド県、ダーラナ県、ヴェステルノールランド県、セーデルマンランド県とブレーキンゲ県の9地域で誤った検査結果が出ていたことが分かった」と同局は声明で述べた。 偽陽性の結果が出た人の半数以上は、「検査時に軽い症状があったか、自覚症状が一切なかった」ということだ。 アメリカも3月に緊急使用を承認 公衆衛生局は声明でさらにこう述べた。「スウェーデン医療製品庁から、検査キットに欠陥があるとの報告を受けた。このキットは中国から、スウェーデンを含む多くの国に輸出されている。スウェーデン公衆衛生局は今回の一件について、ヨーロッパの各当局と世界保健機関(WHO)に情報提供を行った」 同局のカリン・テグマーク・ウィセル微生物学部長は、「欠陥が見つかり、検査結果の質を確保するために必要な措置が取られたことは、いいことだ」と語った。 8月26日の時点で、スウェーデンでこれまでに新型コロナウイルスに感染した人の数は合わせて8万7000人を上回り、これまでに少なくとも5817人が死亡している。 BGIゲノミクスが製造した問題の検査キットは、3月に米当局が新型コロナウイルスの検査用に緊急使用を承認し、5月にはWHOの緊急時使用リストにも掲載された。 またロイター通信によれば、BGIゲノミクスの子会社2社は最近、中国北西部の新彊ウイグル自治区での人権侵害を理由に、米商務省の制裁対象リストに掲載されている。BGIゲノミクスでは、制裁対象リストへの掲載を受けて声明を発表し、人権侵害の疑惑を否定。次のように述べた。「BGIグループは非倫理的な実践に携わっていないし、当社の遺伝子解析技術をウイグル人の監視のために提供もしていない。BGIグループは人権侵害を容認せず、人権侵害に関与することも決してない」 <参考記事>中国製コロナ検査キット使い物にならず、イギリス政府が返金を要求へ <参考記事>【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスクとの向き合い方 【話題の記事】 ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開 ・台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死 ・中国は「第三次大戦を準備している」 ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年9月1日号(8月25日発売)は「コロナと脱グローバル化 11の予測」特集。人と物の往来が止まり、このまま世界は閉じるのか――。11人の識者が占うグローバリズムの未来。デービッド・アトキンソン/細谷雄一/ウィリアム・ジェーンウェイ/河野真太郎...他