<ニューヨーク・マンハッタン島の2倍に相当する軽石が、昨年南太平洋で見つかったが、オーストラリアに漂着しはじめている......> ニューヨーク・マンハッタン島の2倍に相当する軽石でできた巨大な浮遊物が、2019年8月16日、南太平洋で見つかった。 「軽石は、海洋生物にとって家であり、乗り物だ」 トンガのヴァヴァウ諸島近くの海底火山の噴火によって生成されたもので、ビー玉からバスケットボールくらいのサイズの大量の軽石で構成されている。この巨大な「軽石の浮島」はオーストラリアに向かって漂流を続け、2020年4月以降、北東部クイーンズランド州タウンズビルからニューサウスウェールズ州の海岸に、漂着しはじめている。 Sailing through Pumice near VaVau 軽石は、マグマが急に冷えて形成された軽量で多孔な火山岩である。海を漂っているうちに、その空洞には藻類やフジツボ、サンゴなど、様々な海洋生物が住み着きはじめる。「軽石の浮島」を専門に研究する豪クイーンズ工科大学(QUT)のスコット・ブライアン准教授は「ひとつひとつの軽石に小さなコミュニティが形成され、海を超えて運ばれる。この巨大な『軽石の浮島』には、このようなコミュニティが無数に存在している」と解説する。つまり、軽石は、海洋生物にとって家であり、乗り物だ。 グレートバリアリーフの再生にも寄与する? 「軽石の浮島」によって、無数の多様な海洋生物がわずか数ヶ月で何千キロメートルにもわたって運ばれる。ブライアン准教授はクイーンズランド州南東部のビーチに漂着した軽石を採取し、付着した生物を調べたところ、100種以上の生物が確認された。 Pumice arrives bringing boost of life オーストラリア北東岸に広がる世界最大のサンゴ礁地帯グレートバリアリーフは地球温暖化の影響を受けており、2016年の熱波では大量に死滅した。この巨大な「軽石の浮島」のオーストラリアへの漂着は、グレートバリアリーフの再生にも寄与するのではないかと期待が寄せられている。 ブライアン准教授は「『軽石の浮島』そのものが、グレートバリアリーフへの気候変動の影響を軽減できるのではなく、5年周期で起こるサンゴやその他の生物の増加に寄与する。いわば、『軽石の浮島』はグレートバリアリーフへの『ビタミン剤』のようなものだ」と述べている。 ===== Pumice arrives bringing boost of life