米国防総省は1日、中国の核弾頭保有数は現在の200個程度から今後10年間で少なくとも倍増するという見通しを示した。また、中国が陸海空における核戦力のトライアド(核の三本柱)態勢の構築に近づいているとの認識を示した。 米国が中国の核弾頭保有数について発表するのは初めて。米国科学者連盟(FAS)は中国の核弾頭保有数を約320個と推定している。 国防総省は中国の軍事力に関する議会向けの年次報告書で、今回の見通しは中国政府が新たな核分裂性物質を生産することなく核兵器の備蓄量を倍増させるのに十分な材料を有していることなどを考慮しているとした。 国防総省の予測は国防情報局(DIA)の分析に基づいている。 チャド・スブラギア国防次官補代理(中国担当)は記者団に対し、「保有数だけではなく、中国の大規模な核開発も懸念している」と指摘。中国が核戦力のトライアド態勢の構築に近づいていると述べた。 中国は核兵器の搭載が可能な空中発射弾道ミサイルを開発中。報告書によると、中国は2019年10月に空中給油が可能な初の核武装爆撃機「H─6N」を公開したという。 米政府は来年2月に期限が切れる米国・ロシア間の新戦略兵器削減条約(新START)の延長交渉に中国も参加するよう繰り返し呼び掛けているが、中国側は約20倍に当たる米国の核兵器備蓄を同水準まで削減する意向を示さない限り、交渉に参加しないとしている。 FASによると、米国の核弾頭保有数は3800個、ロシアは約4300個。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【関連記事】 ・中国・三峡ダムに過去最大の水量流入、いまダムはどうなっている? ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・戦略性を失った習近平「四面楚歌」外交の末路 ・世界が激怒する中国「犬肉祭り」の残酷さ   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。