<6600万年にわたる地球の気候の変遷が、国際研究チームによって初めてまとめられた...... > 6600万年にわたる地球の気候の変遷が、国際研究チームによって初めてまとめられ、地球の公転軌道の周期的変動といった自然の要因による気候変動よりも、温室効果ガスの排出によって将来予測される温暖化のほうがはるかに大きな影響をもたらすおそれがあることがわかった。 米カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)、独ブレーメン大学海洋環境科学センター(MARUM)らの国際研究チームは、6600万年の地球の気候変動の記録を継続的かつ忠実にまとめ、2020年9月11日、学術雑誌「サイエンス」で一連の研究成果を発表した。 5500万年前、現在よりも9〜14度高かった 研究チームは、深海海盆から採取した堆積物コアを用い、海底堆積物中の微小プランクトン「有孔虫」の殻にある酸素同位体から過去の気温や氷床体積を分析。さらに、堆積物に記録された気候変動と地球の公転軌道の周期的変化とをマッチングさせ、天文現象を用いて日付をつけた6600万年分の気候の変遷をまとめた。 研究チームでは、天文学的な外部強制力に伴って変動する地球の気候の状態を、温室効果ガス濃度や極地の氷床体積に応じて、「ホットハウス」、「ウォームハウス」、「クールハウス」、「アイスハウス」の4つに分類している。 Westerhold et al., CENOGRID 地球は、この300万年間、極地に氷床が存在する「アイスハウス」にあり、寒冷な気候の「氷期」と比較的温暖な「間氷期」とが周期的に繰り返されてきた。このような「氷期-間氷期サイクル」は、地球の軌道の周期的変化と一致している。 しかしながら、1850年以降、温室効果ガスの排出をはじめとする人間活動により、約3400万年前に終わった「始新世」以来、地球が「ウォームハウス」や「ホットハウス」に向かいつつある。「始新世」初期には、極地に氷床はなく、地球の平均気温は数百万年かけて上昇し、現在よりも9〜14度高かった。 2300年までに、約5000万年前と同等の「ホットハウス」に突入? 世界で地球温暖化への防止策が講じられずに温暖効果ガスが排出され続ける「RCP8.5シナリオ」での予測では、地球の気候が、2300年までに、約5000万年前の「始新世」初期の同等の「ホットハウス」に突入する可能性があるという。 Westerhold et al., CENOGRID 研究論文の責任著者でカリフォルニア大学サンタクルーズ校の古気候学者ジェームズ・ザコス特別教授は「温室効果ガス排出量を削減しない現状維持のシナリオによれば、過去5000万年で見られなかったレベルにまで、地球の気温が上昇するおそれがある」と警鐘を鳴らしている。