中国の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の米国内での提供などを禁止するトランプ政権の措置について、米連邦地裁は、一時的に差し止める命令を下した。 米商務省は18日、国家安全保障上の懸念を理由に、ウィーチャットの米国内での新規ダウンロードを20日夜から禁止すると発表。司法省はこの措置の差し止めに動かないよう地裁判事に求めていた。 ウィーチャットを運営する中国の騰訊控股(テンセント)、米商務省、司法省はコメントを控えた。 米カリフォルニア州サンフランシスコの連邦地裁判事は、仮差し止め命令の中で、訴訟を提起していたウィーチャットのユーザーらの主張を認め、「とりわけ、コミュニケーションの代替手段が欠如していることを踏まえると、(禁止措置は)政府の国家安全保障上の利益のために言論に必要以上に大きな負担を負わせるものだ」と指摘した。 仮差し止め命令は、米国ユーザーにとってサイトの利便性の大幅な低下や利用できなくなる状態につながる可能性があったウィーチャットの米国内での他の取引を禁止する措置も対象となる。 判事は「確かに政府の国家安全保障上の利益は重要だ」とした上で、「政府は中国の行動が国家安全保障上の重大な懸念を提起していることを確認しているものの、米国ユーザー全てにウィーチャットの利用を実質的に禁止する措置がそうした懸念への対処につながるという証拠はほとんど示していない」と指摘した。 原告のウィーチャット・ユーザーズ・アライアンスは仮差し止め命令を歓迎し、米国内の数多くのウィーチャットユーザーにとり重要な勝利だとした。 調査会社アップトピアが8月上旬に公表したデータによると、ウィーチャットの米国内での1日当たりのアクティブユーザー数は平均1900万人。中国人学生や中国に住む米国人、中国と個人的な関係やビジネス上の関係がある一部の米国人などの間で利用されている。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【話題の記事】 ・米中新冷戦でアメリカに勝ち目はない ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず ・中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?   ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます9月22日号(9月15日発売)は「誤解だらけの米中新冷戦」特集。「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う。米中関係史で読み解く新冷戦の本質。