<少年の勇敢さに感動すると同時に、インドではそこら中にいる牛の害と怖さに世界が身震いした> インドで、牛に襲われた祖母を救いに駆けつけ、自分も蹴られてしまう少年の姿をとらえた監視カメラの映像が話題となっている。同時に、街中を自由に牛がうろつくインド独特の慣習が改めて世界の注目を浴びることになった。 場所は、ニューデリーから西に140kmほど離れた都市マヘンドラガ。路地を歩くサリー姿の女性に、通りの向かいにいたブラーマン種の雄牛が近づき、突進して頭で突き飛ばした。女性は、横の門扉に激突して地面に倒れ、牛はぐったりとした女性を見下ろした。 そこに、路地の向こうの方から孫の少年が駆け寄ってくるが、雄牛に体当たりされて地面に倒れ、必死で起き上がると今度は頭を後ろ足で蹴られた。 少年がやっとのことで祖母を助け起こそうとすると、雄牛は頭突きで2人を吹き飛ばす。容赦ない猛攻だ。 幸い、騒ぎに気づいた住民たちが、長い棒を振り回して雄牛を叩いて威嚇。そのすきに別の住民が、少年と祖母を助け起こして避難させた。 インドのニュースメディア、アジアン・ニュース・インターナショナルによると、祖母と少年は怪我ですんだそうだが、生きているのが奇跡のようだ。 インドでは、国民の80%は牛を神聖視するヒンドゥー教徒。そのため都市でも地方でも多くの牛が自由にうろついている。2012年のインド畜産調査によると、インドの農村部では、そういう牛が500万頭近くいる。 だが、牛は人間に危害を加えることもある。ABCニュースによれば、世界全体では年間20人ほどが、牛に蹴られたり踏まれたりして亡くなっている。それに対して、サメに殺される人は年間5人にすぎないという。 牛はまた、交通渋滞の原因になるほか、インド中の草地を食い荒らし、至るところで排便するため、人々の健康に害を与えたり、衛生上の問題もある。世話をする人がおらずに飢えている牛も多い。 (翻訳:ガリレオ) =====