トランプ米大統領は7日、専属医から新型コロナウイルス感染症の症状が見られていないと診断されたのを受け、ホワイトハウスの大統領執務室に戻った。当局者によると、景気刺激策を巡る協議やハリケーン「デルタ」について説明を受けた。 この当局者は、トランプ氏がホワイトハウスのスタッフなどを感染させるリスクを回避するため、廊下は通らずに庭園ローズガーデンから大統領執務室に入ったと明らかにした。トランプ氏は5日夜にワシントン郊外の米軍医療施設を退院後、ホワイトハウスの居住棟で治療を受けてきた。 トランプ氏に説明を行ったメドウズ大統領首席補佐官は防護具を着用したという。 トランプ氏は説明を受けた直後にツイッターに「ハリケーンデルタについて説明を受けたばかりで、テキサス州のアボット知事とルイジアナ州のエドワーズ知事と話した」と投稿した。 ホワイトハウス専属医のショーン・コンリー氏はこの日出した声明で、過去24時間、トランプ大統領に新型コロナウイルス感染症の症状は確認されていないと説明。過去4日以上発熱しておらず、入院以降に酸素吸入も受けていないとした。 身体検査の結果や血圧、心拍数、呼吸は「全て安定的で正常範囲内」にあるとした。 トランプ氏(74)は6日以降、公の場に姿を現しておらず、映像も公表されていない。ただ、野党・民主党を攻撃したりコロナ流行の危険性を軽んじる内容のツイートは頻繁に行っている。 コンリー氏によると、5日以降の検査で、トランプ大統領が新型コロナの抗体を持っている証拠が得られたという。トランプ大統領の治療にはリジェネロンが開発中の抗体カクテル医薬品が使用されており、リジェネロンの広報担当者は、検出された抗体は治療によるものである可能性が高いと述べた。 一方、米大統領選まで30日を切る中、トランプ大統領が選挙活動や大統領職務の再開を待ち切れずにいると、トランプ氏の側近らが7日明らかにした。 側近らによると、支持率でトランプ大統領をリードしている民主党の大統領候補バイデン前副大統領に攻勢をかけるために、国民向けのテレビ演説に加え、8日には高齢の有権者向け演説を行うことも検討されているという。 ホワイトハウス内ではコロナ感染が広がっており、ABCニュースによると、これまでにトランプ大統領を含め23人の感染が確認された。 米国内の成人を対象に2─6日に実施されたロイター/イプソスの最新の世論調査によると、トランプ大統領のコロナ対応への支持は38%と、9月初旬に実施された調査以降の最低水準に沈んだ。9月3─8日時点には、58%が支持しないと回答していた。 また、調査の対象となった79%(民主党94%、共和党70%)が、コロナ感染拡大について「非常に」もしくは「幾分」懸念していると回答した。 トランプ大統領は、フロリダ州マイアミで15日に予定されている大統領候補テレビ討論会の参加に前向きな姿勢を示していたが、バイデン氏は前日、15日時点でトランプ大統領がまだコロに感染しているのであれば、討論会は実施すべきでないとの考えを示した。 7日夜には、両党の副大統領候補であるペンス副大統領とハリス上院議員によるテレビ討論会が開催される。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます