<クラスターが発生しているのにCDC(米疾病対策センター)に追跡調査を依頼しないのは「大統領が感染源」だとばれるのを避けるためでは> アメリカでは、ホワイトハウスの職員や最高裁判事候補指名式典の出席者の間で次々と新型コロナウイルスの感染が続々と確認され、ホワイトハウスでの交流との関連が指摘されている感染者は10月7日時点で22人に上った。感染や濃厚接触の疑いは国防総省や米軍幹部にも及びさらに拡大しかねない勢いで、単なるクラスター感染ではなく、普通より大量にウイルスをばらまくスーパースプレッダーによる感染ではないかと言われはじめている。 一部の専門家は、ドナルド・トランプ大統領こそがそのスーパースプレッダーではないかと疑う。 誰がホワイトハウスにウイルスを持ち込んだのかを調べるためには、誰がいつから感染して誰と接触したのか、詳細な接触者追跡が不可欠だ。 だが、大統領の主治医ショーン・コンリーは、トランプが退院した10月5日の夕方に開いた記者会見の中で、トランプがウイルス検査で最後に陰性だったのはいつかという質問に対して、回答を拒んだ。 ジョージ・ワシントン大学の医学部教授のジョナサン・ライナーは、6日夜に放送されたCNNとのインタビューの中で、トランプこそがホワイトハウスの「スーパースプレッダー」だと語った。ライナーをはじめ、多くの政治家や著名人、医療の専門家たちが、トランプが検査で陽性と診断された時期について情報を公開するよう求めている。 ライナーはインタビューの中で、「私は大統領がスーパースプレッダーだと考えている。ホワイトハウスが米疾病対策センター(CDC)に全ての感染例に関する正式な追跡調査を依頼しないのは、起点となった患者0号が合衆国大統領かもしれないと懸念しているからだと思う」と語った。 彼はさらに「大統領は、2日の入院の少なくとも1週間前には新型コロナウイルスに感染していたと考える」とも指摘。一般に、感染してから症状が出始めるまで約1週間かかることをその理由に挙げた。無症状の間にも感染力はあるので、入院までにウイルスをばらまく時間はたっぷりとあったことになる。トランプはマスクもしないし、社会的距離に配慮したりもしないのでなおさらだろう。 感染公表直前に大勢の人と接触 トランプは2日早朝にウイルス検査で陽性だったことを認め、同日夜にウォルター・リード米軍医療センターに入院した。その6日前の9月29日には民主党のジョー・バイデン大統領候補と初のテレビ討論会に参加。その数日前の9月26日には、約200人が出席した最高裁判事候補指名式典で、複数のゲストと接触していた。 この式典の出席者からは、既に12人以上の感染者が出ている。にもかかわらず、ニューヨーク・タイムズ紙によれば、ホワイトハウスは感染者と接触した人々の徹底した追跡調査を拒否している。 6日には、共和党全国委員会の元委員長で現在はMSNBCの政治アナリストを務めるマイケル・スティールも、ホワイトハウス職員と式典出席者の間での感染拡大の原因はトランプだと示唆した。 スティールはMSNBCの番組の中で、5日に退院してホワイトハウスに戻ったトランプがマスクを外してみせた映像に触れ、「彼は、私たちが学んだ全てのルールに背いてマスクを外した」と批判。 「彼こそがホワイトハウスにおける感染拡大の中心人物なのに、みんなそれに触れることを避けたがっている」と彼は指摘した。政権中枢で「多くの人が感染しているのに、その経緯が分かっていない。今後数週間で、どれだけの人が感染するのかも分からない。それなのにトランプはホワイトハウス前に立って好調ぶりをアピールし、『風邪をひいただけだ』などと言っている」 ===== Gasping for air. And credibility. pic.twitter.com/1pDvaYcAbj— Ken Jeong (@kenjeong) October 6, 2020 退院後、息ができないトランプ