<トランプのコロナ感染に関する情報を明かさないホワイトハウス......議会はトランプ「罷免」に向けて動くのか> 新型コロナウイルスに感染したドナルド・トランプ米大統領が職務遂行能力への懸念が高まるなか、民主党のナンシー・ペロシ下院議長は8日、大統領の「罷免」について規定した憲法修正第25条について議論することを明らかにした。 下院民主党は9日、同条に基づいて、大統領に職務遂行能力があるかどうか判断する議会委員会の設置を提案する。 同条第4項では、大統領が例え拒否しても、副大統領に加えて、閣僚メンバーかまたは「連邦議会が法律で定める他の機関の長」の過半数が大統領職の権限と義務の遂行が不可能と判断した場合には、副大統領が直ちに大統領職を代行すると定めている。 民主党は、この第4項で定められた「連邦議会が法律で定める他の機関」の設置を求めている。 ペロシは記者団に対して、「トランプ大統領が陽性と分かる前に、最後に検査で陰性と出たのはいつだったのか? 感染時期を特定する重要な事実をなぜホワイトハウスは国民に明かさないのか?」と、政権の対応に疑問を呈した。 トランプの感染経路は依然不明 トランプは今月2日の感染発覚後に入院して治療を受けていたが、5日に退院してホワイトハウスで治療を継続している。しかし、いつの検査で最後に陰性が出たかは公表されておらず、現在の容体で職務を続けられるのかという懸念を呼んでいる。 憲法修正第25条は、1963年11月に当時のジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたことを受けて、大統領職の遂行が不可能になった場合の職務の継承について定めたもので、65年に連邦議会で可決された。 ペンシルバニア州フィラデルフィアの博物館「米国憲法センター」が運営するホームページによると、同条は4項に分かれている。 ===== 第1項は「大統領が免職されるか、死亡または辞任した場合、副大統領が大統領になる」と定めている。 第2項は、副大統領が空席の場合には、「大統領が副大統領を指名し、議会上下両院の過半数の承認を受けて就任する」と定めている。 第3項は、大統領が一時的に権限を副大統領に委譲し、その後再び権限を回復する手順について定めている。最近では2002年にジョージ・W・ブッシュ大統領が大腸内視鏡検査を受けるために一時的にディック・チェイニー副大統領に権限を委譲した。 最後の第4項は、上述の通り、もし大統領が権限移譲を拒否しても、「副大統領と閣僚メンバーの過半数、または連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院議長代行および下院議長に対して、大統領が職務上の権限と義務を遂行できない旨を書面で通告した場合」には、副大統領が「大統領代行」になると定めている。 民主党はトランプの現在の職務遂行能力に疑念を抱いているが、ホワイトハウスのアリッサ・ファラー報道部長はトランプが入院中の時点で、「トランプ大統領は引き続き職務を行う」と述べ、大統領職の委譲を否定している。