<フランスなどと同様、ドイツでも連日、1日の新感染者数の記録を更新している。マスク着用義務も厳しくなり、混乱も招いている......> ヨーロッパ全体で感染が爆発的に増えている今も、マスク着用義務などの規制に反対するデモはあとをたたない。感染者の増加がおもに若年層であるため致死率はそれほど高くなく、また今春の第1波のときと違って社会が元どおりとはいかないが動いてはいるため、全体にまだ危機感が広まっていない気配だ。また、全体的ロックダウンを回避するために政府が部分的・段階的な制約を導入していることが、市民の混乱を招いてもいるようだ。 ベルリンでは反マスク主義者への鬱憤も ベルリンでは観光当局が13日、「マスクをしないすべての人に指を立てよう」という広告を地元紙に打つと、瞬く間に議論が巻き起こった。ベルリンらしいといえばベルリンらしいが、あまりにも攻撃的で侮辱的だと、一部で非難の声が上がり、撤回された。 ベルリンでは夏から反マスク主義者や陰謀主義者の大規模なデモが続き、ルールを守っている市民の鬱憤もたまっていたようだ。観光当局のヴィジット・ベルリンは、高齢者や重症化するリスクの高い人々の健康を守ることの重要性を呼びかける狙いだったというが、中には健康上の理由でマスクを着用できない人もいる。一方的に非難する姿勢が反感を呼んだのかもしれない。 Mit dem Durchsetzen der Corona-Verordnungen hat es irgendwie nicht so richtig funktioniert in Berlin. Also versucht es der Senat mal mit Publikumsbeschimpfung. pic.twitter.com/MrW6krPGya— Lorenz Maroldt (@LorenzMaroldt) October 12, 2020 過去最大の新感染者数 フランスなどと同様、ドイツでも連日、1日の新感染者数の記録を更新している。過去最高は3月28日の6294人だったが、17日土曜日には7830人に達した。春よりも検査数が格段に増えているというのもあるが、やはり心配な数だ。17日の会見でメルケル首相は、ドイツはこれから非常に深刻な段階に突入するとし、不要不急の旅行や外出、集会を極力避け、家にいるよう市民に団結を呼びかけた。 首相と16州の知事は先週、さらに厳格な各種規制の導入に合意している。これにより、7日間で10万人あたり50 人の新感染者が出た地域を「ホットスポット」とし、ホットスポット認定された地域では、たとえば集会は10人あるいは2世帯まで、あるいは飲食店の営業は午後11時まで、などの制約が課されるようになる。 また、マスク着用義務も厳しくなり、10万人あたり35人以上の感染がある場合は公共エリアすべてにおいての着用が義務化、ホットスポットではこれがさらに厳しくなる。 現在ホットスポットとされているのはおもにベルリンやフランクフルトなどの都市部だ。これらホットスポットからの旅行者の受け入れを制限する動きが全国で出ているが、方針や条件が自治体によってまちまちなので、市民にはわかりづらい。たとえば、ホットスポットからそうではない地域へ移動しなければならない場合、移動先でホテルの滞在が許可されていなければ日帰りか、あるいは許可されている地域を経由して一泊するしかない。この点については16州で合意に達することができなかったため、11月8日まで決定が延期されている。 ===== またベルリンでは先々週、バーやレストランなどに夜11時から翌朝6時までの営業禁止が課されていたが、制限措置に異議を唱える11のレストランオーナーが行政裁判所に提訴、16 日に「マスクや身体距離などのルールを守っている施設が感染率増加の一因となっているとする証拠は乏しい」として、これを無効とした。ただし、11時以降のアルコールの提供は引き続き禁止される。さらに、ベルリン当局は高等行政裁判所に即時上訴したため、再度覆される可能性もある。 予防対策と市民・経済活動とのバランス 先週は筆者の子供の学校で感染が見つかり、クラス閉鎖となった。CPR検査結果の出るまで1週間の自宅隔離となり、市の保健局から定期的に電話が来て様子をチェックされたが、家族は自宅隔離しなくてもよいという方針だったので、ちょっと矛盾しているように感じた(ので、筆者も自主的に外出を控えた)。抗議や抵抗を避けるため、当局も市民が継続可能な中間的措置を模索している最中なのかもしれない。 医療崩壊を防ぐために、今年はとくにインフルエンザの予防接種が奨励されており、政府はさらに600万回分のワクチンを注文したと発表。これで合計2600万回の投与が可能となり、これは昨年のほぼ2倍の量になる。また、コロナ追跡アプリのインストールも奨励されている。