米英両国は19日、ロシア軍情報機関(GRU)が来年夏に予定される東京五輪・パラリンピックの妨害工作を含む一連のサイバー攻撃に関与していたとして非難した。 米英はサイバー攻撃について、GRUの「74455部隊」が実施したと指摘。同部隊は「特別技術中央センター」としても知られている。 米司法省は同部隊のメンバー6人を起訴。起訴状によると、化学兵器禁止機関(OPCW)や2017年のフランスの選挙などを標的とする一連のサイバー攻撃で主要な役割を果たしていたという。起訴対象となったのは15─19年の4年間に行われた一連の悪意あるサイバー活動。 また英当局者によると、GRUは2020年東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会に対する「サイバー偵察」活動も実施していた。五輪の主催者や物流業者、スポンサー企業が標的となったと説明したが、攻撃の具体的な内容のほか、実際に成功したかについては明らかにしなかった。 東京五輪・パラリンピックは新型コロナウイルス流行を受けて、来年に延期された。 米司法省のジョン・デマーズ次官補はバーチュアル記者会見で、東京五輪に関するハッキング活動について言及を避けた。 英国のラーブ外相は「GRUによる五輪・パラリンピック組織委員会に対する攻撃は無謀だ。最も強い言葉を使って非難する」とした。 世界反ドーピング機関(WADA)昨年12月、ロシアの広範なドーピング問題を受け、ロシア選手団を東京五輪・パラリンピックを含む主要国際大会から4年間排除する処分を決定している。 米連邦捜査局(FBI)のボウディッチ副長官は「ロシアは高いサイバー攻撃能力を有していると、FBIはこれまでも繰り返し警告してきた。今回の起訴状で、ロシアのサイバー活動が実際にどれほど破壊的でまん延しているかが明らかになった」と述べた。 米英の当局はまた、ロシアのハッカーは18年に韓国で開かれた平昌冬季五輪の開会式への攻撃にも関与したと指摘。開会式では多数のコンピューターが不正侵入され、インターネットがアクセス不能となり、中継映像の配信が乱れるなどの被害があった。 英外務省によると、平昌冬季五輪でのサイバー攻撃は専門家によってロシアの関与が指摘されていたが、北朝鮮や中国人のハッカーを装っていたという。 同省は声明で「2020年夏季五輪への攻撃は、ロシアによる五輪・パラリンピックを標的とした一連の悪意ある活動の最新のものだ」とし、平昌冬季五輪へのGRUの攻撃の範囲について初めて確認するとした。 米司法省によると、GRUが実施したとされる2015年以降の悪意あるサイバー活動は他に、ランサムウエア「ノットペーチャ(NotPetya)」による世界的なサイバー攻撃が含まれる。同ランサムウエアは2017年にウクライナから世界にまん延し、多数の企業のコンピューターが機能停止などの被害に遭った。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます 【話題の記事】 ・強行退院したトランプが直面する「ウィズ・コロナ選挙戦」の難題 ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ