<トランプが大統領選で再選されようとされまいと、米政府の手でいい加減に引き離された親子に対する非道は贖わなければならない> トランプ政権の厳しい移民政策の下、2018年に米南部のメキシコ国境地帯で親から引き離された移民の子どものうち、545人が今も親と再会できていないことが判明した。ホワイトハウスの報道官は、トランプ政権は親子を再会させようとしたが、家族が子どもたちの引き取りを拒否したと説明した。 トランプ政権は2018年、不法入国者を厳しく取り締まる「ゼロ・トレランス(寛容ゼロ)」政策を導入。メキシコ国境地帯で大勢の移民の子どもを親や保護者から引き離して別々に収容したが、全米から強い批判を受けてすぐにこの措置を停止した経緯がある。 米自由人権協会(ACLU)が10月20日に裁判所に提出した文書によれば、この時に親と引き離された子どものうち545人の親が今も見つかっていない。ホワイトハウスは21日、再会させようとしたが、親が子どもを取り戻したがらなかったと主張した。NBCニュースによれば、ホワイトハウスのブライアン・モーゲンスターン報道官は「彼らの多くが子どもの引き取りを拒否した。政権側の努力が足りなかったわけではない」と述べた。 ACLU移民の権利プロジェクトの副部長を務めるリー・ゲラントは公共放送ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)へのコメントで、親子が再会できていない現状について「ゾッとする」として、次のように語った。 「子どもたちの中には、親と引き離された時にまだ赤ん坊だった子もいる。人生の半分以上、あるいはほぼ全てを、親をもたずに過ごしている子もいるだろう」 「どれだけ謝罪しても済まない問題」 全米移民フォーラムのアリ・ヌーラニ最高経営責任者(CEO)は本誌に、現在の状況は「アメリカの苦悩であり恥だ」と述べた。 「家族という価値を重視する国の政権が親子を引き離し、彼らを再会させようにもどこに行ったかわからないなんて、残酷な上に怠惰だとは」と彼は批判した。 トランプ政権による移民の扱いを繰り返し非難してきた民主党議員たちは、厳しい言葉でトランプ政権を批判する。 ミネソタ州選出のイルハン・オマル下院議員は、「これはひどい児童虐待だ」とツイートした。「彼らはアメリカが自分たちを動物のように檻に入れ、親から無理やり引き離し、泣き止ませるために薬漬けにしたことを一生忘れないだろう。どれだけ謝罪しても済まない問題だ」と投稿し、移民関税執行局(ICE)の廃止を呼びかけた。 ===== トランプ政権は2017年から不法移民の親子を国境地帯で引き離して別々に収容し始め、2018年5月には司法省が、不法移民対策強化の一環として「ゼロ・トレランス政策」の導入を発表。1カ月と少し後に、サンディエゴ連邦地裁のダナ・サブロー判事が同政策の仮差し止め命令を出し、引き離された親子を再会させるようトランプ政権に命じた。 しかしそれから2年以上が経った今でも、家族の元に戻れていない子どもたちが何百人もいるというのだ。 民主党の大統領候補であるジョー・バイデン前副大統領は21日、本誌宛てのメールで、次のようにトランプ政権を強く批判した。 「この政権は母親の腕の中から赤ん坊を無理やり引き離した。子どもを奪われた親たちは多くの場合、子どもと再会できないまま本国に送還されたようで、今も見つかっていない。道徳的に許されない、アメリカの名誉を汚すひどい行為だ」