<カナダの感謝祭は10月で感染状況を悪化させた。感謝祭を来週に控えた米国人の心中は複雑だ......> カナダの感謝祭は10月第2月曜日、感染を拡大させた 毎年11月の第4木曜日は、米国で冬の休暇シーズンの幕開けとなる「感謝祭」だ。今年は11月26日にあたる。しかし1カ月前の10月に終わったカナダでは感謝祭をきっかけに新型コロナウイルスの感染者数が急増しており、米国でも、例年なら家族が集まるこの時期をどう過ごすか悩ましいところのようだ。 カナダでは、感謝祭は10月の第2月曜日に祝われ、今年は10月12日だった。米タイム誌のアレックス・フィッツパトリック氏は11月12日付の記事で、米国で感謝祭をきっかけに感染がさらに拡大するか否かを占うには、お隣のカナダが参考になるとしている。 感謝祭の前からすでに感染者数が増加傾向にあったものの、カナダの複数の専門家は「間違いなく感謝祭が感染状況を悪化させた」との見解を示したと、フィッツパトリック氏は書いている。専門家の一人である、トロント大学の准教授で疫学者のローラ・ロゼラ博士はその根拠として、感謝祭の後、ちょうど新型コロナの潜伏期間と重なる2週間後にカナダで感染者数の最多記録が更新されたことを挙げている。 同博士はさらに、カナダではコロナ感染の有無を調べる検査を受けたい人の数があまりにも多くなり、検査を受けられるための条件が厳しくなったと説明。そのため受けられない人がかなり多いことから、実際の感染者数は爆発的に増えていることが示唆されると指摘している。 また、ケベック州とオンタリオ州では、感謝祭を前に一部地域である程度の外出規制を実施していたが、それでも感染者数は減らなかった。マギル大学医学部准教授のマシュー・オウトン博士はこの理由について、感謝祭のせいで感染者数が増えたからだと説明した。 なお、感謝祭から1カ月以上たった現在、カナダでは引き続き感染者数が増加しており、オンタリオ州が今週末から一部地域でロックダウンを実施すると見られている(カナダ公共放送CBC)。さらに、これまでコロナ感染者がまったくいなかったヌナブト準州で6日に初めて感染者が見つかって以来、18日の時点で感染者数は70に達しており、同準州は同日から2週間の予定でロックダウンに入っている(カナダ民放グローバルTV)。 ===== 米国では5人に2人が10人以上の集まりに参加予定 カナダのこういった状況を前に、感謝祭を来週に控えた米国人の心中は複雑だ。オハイオ州立大学のウェクスナー医療センターが行った冬の休暇シーズン(感謝祭やクリスマスなど)に関する調査では、米国人の5人に2人近くは、10人以上の集まりに参加する予定があると答えた。さらに回答者の3分の1は、来客者にマスクの着用を求めない予定だとした。 回答者の多くは、対人距離を取ること、新型コロナの症状がある人は出席を控えるように求めること、といった対策は取るつもりだと答えたという。 同医療センターのイアン・ゴンゼンハウザー博士は、「テーブルを囲んで1.8メートル以内の距離に座り、マスクを外して会話をすると、それがたとえ少人数であってもウイルスの拡散は本当に起こりかねない」と話した。 同博士は、もっとも安全な解決策は、バーチャルでのやり取りにして対面での集まりはキャンセルすることだとしている。もしどうしても直接会うなら、座席を離すなど配置を考えるようアドバイスしている。また感染者数の少ない地域に暮らし、家庭内に感染した場合のリスクが高い人がいるのなら、来客者がどの地域から来るかを気を付けた方がいいとも話した。 米CNNは、「コロナを理由にいかにして感謝祭のお誘いを断るか」という記事を掲載している。記事は、何年も続けてきた家族の集まりに「ノー」というのは、誰かの気持ちを害してしまう可能性があると指摘。そのため、集まりに出席しないのは「他の人をリスクにさらしたくないからだ」という理由と、相手のせいではないということをはっきり伝えるよう提案している。