<ドイツで、薬物によって2人の新型コロナ重症患者を安楽死させた容疑で44歳の主治医が逮捕、殺人罪で起訴された......> ドイツのエッセン大学病院で今月、薬物によって2人の新型コロナ重症患者を安楽死させた容疑で44歳の主治医が逮捕、殺人罪で起訴された。市民のあいだにショックが広まっている。 医師の素性に疑念も 医師は今月13日と17日、新型コロナ病棟の47歳のオランダ人男性と50歳の男性に「苦しみから救うため」大量の薬剤を投与したと言われている。2人の死に疑念を抱いた病院側が警察に通報、医師は18日に逮捕された。現在医師は2件中1件のみを認め、情報を提供したという。患者と家族の痛みと苦しみを終えたかったと供述している。 WDR(西ドイツ放送)によると、医師は今年2月に採用され、数回の個人面談のあと新型コロナ病棟勤務となった。当病院で麻酔科医として勤務する以前は心臓外科医として別の病院に勤めていたが、同僚へのセクハラ疑惑で転院を余儀なくされたという。また、精神的な不安定さも長年知られていたようだ。 エッセン大学病院は23日の声明で遺族への追悼を述べるとともに非常な衝撃を受けていると表明、警察の捜査に全面的に協力すると明言した。 医師の独断では不可 第二次世界大戦中に薬剤による大量虐殺の歴史のあるドイツでは、安楽死は非常に繊細な話題とされている。2015年に採決されたドイツ刑法217条により自殺や安楽死などいかなる死の幇助も一旦禁止されたが、昨年よりふたたび、状況により許可されるようになっていた。 だが、通常これは一医師の独断ではなくチームとして判断されるものであり、また患者への十分な情報提供、セカンドオピニオンの考慮など、さまざまな手順が必要とされる。しかしながら本件の2名の患者は重症であり、合意のための対話が行われることはなかった。 弁護団は現在、同院でこの医師と関連付けられるケースが他にもなかったかどうか調査を進めている。