<ヘンリー王子と共に第2子を失った深い悲しみに耐え、感謝祭に向けて社会の分断を解消する声掛けを提案> 英王室を離脱したヘンリー・サセックス公爵の妻、メーガン・マークルはニューヨーク・タイムズに寄稿した感動的なエッセイで今年7月に第2子を流産していたことを告白した。 「お腹の子を失うことになると、自分でも分かった。私は上の子をしっかりと抱き締めた」 その悲劇は5月に1歳になったばかりの第1子、アーチーの世話に明け暮れるごく平穏な日常のなかで起きた。 ヘンリー公爵はこの悲しい出来事を英王室の人々にも伝えたとみられる。 メーガンはエッセイでこう述べている。「アーチーのおむつを替えた後、鋭い痛みに襲われた。わが子を抱っこしたまま、私は床に崩れ落ち、子供を、そして自分を落ち着かせるために子守唄を口ずさんだ。楽しい旋律とは裏腹に、暗い予感が心に広がった」 メーガンはその時点で流産になると気づいた、と書いている。 「何時間か後、私は病院のベッドに横たわり、夫の手を握っていた。その手が妙に湿っていることに気づき、手の甲にそっとキスした。彼と私の涙がその手を濡らした」 救われた一言 「病院の冷たい白い壁が涙でぼやけて見えた。どうすれば私たちはこの悲しみを癒せるのだろう」 このエッセイを寄稿するまで、メーガンは第2子の妊娠を発表していなかった。 悲劇が起きたのは、彼女が母校の私立女子高校イマキュレート・ハート校の卒業式に寄せたビデオメッセージで、BLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動について語った1カ月程後のことだった。 エッセイでもメーガンは、ジョージ・フロイドの死について、そしてフェイクニュースや社会の分断について触れ、アメリカ社会の行方を懸念する思いを伝えている。 メーガンが引き合いに出したのは、2019年秋に初の公式外遊として南アフリカを訪れたときのことだ。同行したイギリス最大の商業テレビITVのトム・ブラッドビーが、常にメディアの注目を浴び、批判にさらされるメーガンを案じ、「大丈夫?」と聞いた。 エッセイでメーガンはこう述べている。「病院のベッドに座り、自分も悲しみに胸が張り裂けそうなのに、バラバラに壊れた私の心を何とか支えようとしている夫を見て、私はその言葉を思い出し、確信した。癒しに向かう最初の一歩は、大切な誰かに『大丈夫?』と聞くことだ、と」 ===== 「子供を失うことは耐え難い悲しみを抱え込むこと。多くの人がそれを経験しているのに、それについて語る人はほとんどいない」 「喪失の痛みのさなかで、夫と私は気づいた。100人の女性がいれば、そのうち10人か20人は流産の苦しみを経験しているのだ、と」 「驚くほど多くの人がこの痛みを経験しているのに、それについて語ることはタブー視され、(不当にも)恥とされ、生まれてこなかったわが子をひっそりとしのぶ服喪が繰り返されている」 エッセイの締めくくりで、メーガンは11月26日の感謝祭で親族が集まるとき、意見の違いをいったん横に置き、互いを気遣おうと、読者に呼びかけている。 「今年の感謝祭は、これまでとは違う休暇になる。多くの人は家族と会えず、孤独に耐えてきた。ある人は感染し、ある人は感染に怯えて。社会が分断されるなか、人々は途方に暮れているかもしれない。この状況でいったい何に感謝したらいいのか、と。そんな時だからこそ、この一言が必要だ。『大丈夫?』」 「アメリカはきっと大丈夫」 「政治的立場は違っても、社会的距離を確保していても、私たちは今まで以上につながっている。なぜなら誰もが、1個人として、また社会の1員として、この過酷な1年に耐えてきたのだから」 「私たちは新しい生活様式を受け入れ、マスクをするようになり、互いの顔が見えにくくなった。けれども、そのおかげで相手の目を見つめるようにもなった。思いやりにあふれる目、涙をたたえた目を」 「そう、私たちは人類の歴史で実に長く忘れられていた習慣を取り戻したのだ。互いを見つめ、気遣う習慣を」 「私たちは大丈夫?」 「きっと大丈夫」