<ファイザーの臨床試験に参加した看護学者は、2度目の接種の後に事前説明にはなかった予想外の激しい症状に襲われた> カリフォルニア在住の看護学者が、医師たちに対して、米ファイザーが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種で生じる可能性のある副反応を接種前に明確に説明するよう求めている。この研究者自身が、ファイザーの第3相臨床試験を受けた際に複数の激しい症状を体験したためだ。 カリフォルニア大学看護学校のクリステン・チョイ助教。米医師会雑誌(JAMA)の内科部門専門誌に12月7日付けで掲載されたレポートによると、チョイはインスタグラムで広告を見たのがきっかけで8月にこのワクチンの臨床試験に参加した。 「(新型コロナウイルスワクチンの)臨床試験にボランティアとして参加することは、名誉ある行動のように思えた。同時に、50%の確率でいち早くワクチン接種を受けられることに、准看護師として大きな関心を覚えた」。チョイは、「看護学研究者によるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)ワクチン臨床試験での体験」と題されたこのレポートでそう書いている。 もともと医学的な知識があり、臨床試験を担当する看護師からも説明を受けたものの、2回にわたって接種されたワクチンに対する自分の身体の反応は予想外のものだったとチョイは語る。 「私はそれまでに、開発過程やワクチンに関して広範な情報を得ていたが、個人的なレベルでは、反応原性の反応を予期すべきだとは理解していなかった」と、チョイは書く。「発熱した時には恐怖を覚えた」 40度近い発熱が 臨床試験で2度目のワクチン接種を受けた後、チョイは頭痛、寒気、吐き気、筋肉痛などの症状に加えて、約40度近くの高熱が出たという。 このような状況であったにもかかわらず、臨床試験を担当していた看護師はチョイに対し、そうした症状は通常の範囲内だと述べ、「2回目の接種の後に反応が出る人は多い」と説明したという。 ファイザーの臨床試験は無作為のダブルブラインド方式で行われていたため、チョイは自身が接種を受けたのがワクチンなのかプラセボ(偽薬)なのかは知らされていない。それでもチョイは、自らの身体の免疫反応から判断して、自分が接種を受けたのはワクチンの方で、高熱もその副作用だという「強い疑念」を持っているという。 ファイザーの第1相試験では、18〜55歳の成人の被験者のうち、全体の75%がだるさ、67%が頭痛、33%が寒気、25%が筋肉痛を訴え、発熱した人も17%いた。 「このワクチンが承認されたなら、ワクチンを接種された人のうち大半が、私が体験したように、1つ、あるいはそれ以上の副反応を体験する可能性がある」とチョイは書いている。「幸い、私のようにあらゆる反応が同時に起きたというケースは、まれのようだ」 ===== 「とはいえ、このような反応に見舞われた人たちにとっても、COVID-19を発症して重篤な状況に陥ったり死に至ったりするリスクに比べれば、ワクチンのほうがはるかに望ましい」と、チョイは8日、本誌の取材にメールで回答した。 ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンは、臨床試験で95%の予防効果が確認されている。トランプ政権の新型コロナウイルス対応プログラム「オペレーション・ワープ・スピード作戦」の関係者によると、アメリカは2020年末までにこのワクチンを640万本近く確保する予定だという。 チョイは医師たちに対し、新型コロナウイルスワクチンで発生しうる反応について明確に説明するよう求め、その上で、たとえマイナスの作用があったとしてもこのワクチンに信頼を置くべき理由を伝えるよう訴えた。 「私が医学誌向けにこのレポートを書いたのは、新しい新型コロナウイルスワクチンについて医療サービス提供者が患者に話をする一助となればと思ってのことだ」と、チョイは本誌の取材で述べた。「われわれは患者に対して、何を予期すべきかを伝え、発熱や寒気、筋肉痛、疲労感、頭痛といった副反応は通常のものであると説明する必要があるだろう」 チョイはさらにこう続けた。「もしもう一度同じことをする必要が生じたとしても、私はためらいなくワクチンの接種を受ける。ワクチン接種の機会を与えられた他の医療従事者も、私と同様の判断をしてくれるよう期待している」 (翻訳:ガリレオ)