<ベトナムで生息するトウヨウミツバチが巣の入口の周りに動物の糞を置いてオオスズメバチからの攻撃を阻止していることが発見された......> アジアで生息するトウヨウミツバチにとって、オオスズメバチは天敵だ。強力な毒を持ち、攻撃性の高いオオスズメバチは、ミツバチの巣を集団で攻撃する。このような脅威に対して、トウヨウミツバチは、巣の中に蓄えている食糧や大きな蜂群(コロニー)を保護するための行動を進化させてきた。 たとえば、トウヨウミツバチの亜種のニホンミツバチは、巣内に侵入したスズメバチを集団で取り囲んで「蜂球」を形成し、発熱して蒸し殺すことで知られている。 トウヨウミツバチが道具を使う動物であることを示唆する初の事例 カナダ・ゲルフ大学の研究チームは、ベトナムで生息するトウヨウミツバチが巣の入口の周りに動物の糞を置いてオオスズメバチからの攻撃を阻止していることを発見し、2020年12月9日、オープンアクセスジャーナル「プロスワン」でその研究成果を発表した。トウヨウミツバチが道具を使う動物であることを示唆する初の事例としても注目されている。 研究チームは、オオスズメバチの攻撃が盛んになる8月下旬、ベトナムの72カ所の養蜂家を対象に調査を行った。その結果、セイヨウミツバチのみを飼育する5カ所を除き、残りの67カ所でトウヨウミツバチが飼育され、そのうち94%にあたる63カ所で巣の入口に斑点があることが確認された。 トウヨウミツバチを飼育する養蜂家が保有する蜂群の中央値は15個で、平均すると74%の蜂群で巣の入口に斑点があった。ミツバチが水牛の糞を集めている様子を目撃したある養蜂家によると、この斑点は動物の糞だという。 働き蜂が動物の糞を探し、これを集めて巣に持ち帰る 研究チームは10日にわたって蜂群をモニタリングし、高確率で巣の入口の周りに斑点が集中していることを確認した。また、現地観察により、トウヨウミツバチの働き蜂が動物の糞を探し、これを集めて巣に持ち帰り、入口にくっつけていることもわかった。働き蜂は、研究チームが養蜂場の近くに置いた糞だけでなく、近隣の鶏舎の糞や石鹸カスなども集めていた。 研究者たちは、こうした糞の匂いがスズメバチを遠ざけるか、ミツバチが発する匂いを隠すためという可能性もあると考えている。 入口にほとんど糞がついていない巣に比べて、入口に糞が付いている巣では、オオスズメバチが集団で攻撃するケースが少なく、オオスズメバチが巣の入口を噛んで侵入しようとすることも顕著に低かった。 ハチにとってこれが道具であることを示す 研究論文の筆頭著者で米ウェルズリー大学のヘザー・マッティラ准教授は、英紙ガーディアンの取材で「ハチは、巣の中に病原体を持ち込まない衛生的な動物として知られているため、糞を利用していることには驚いた」と意外な発見に驚きを示すとともに、「ハチが周りの環境から糞を集め、これを操り、活用しやすいようにそのものの特性を変えているという事実は、ハチにとってこれが道具であることを示すものだ」とコメントしている。 Snippet: Giant hornets on the attack? Try a little water buffalo poop