<飛行機の中で倒れ、死亡した乗客にコロナ感染の疑いが浮上。蘇生処置を施した乗客は感染の不安に慄いている> 新型コロナウイルスに感染していた可能性のある乗客が、ユナイテッド航空機内で死亡した。この乗客に心肺蘇生法(CPR)を行った男性は、ウイルス感染の症状を訴えている。 事件が発生したのは、フロリダ州オーランド発のユナイテッド航空591便。12月14日にロサンゼルスに向けて出発後、男性乗客が機内で救急医療を必要とする状態に陥ったため、ニューオーリンズに緊急着陸した。男性は現地の病院に運ばれ、死亡が確認された。本誌はユナイテッド航空に以上の経緯を確認した。 同便の乗客トニー・ アルダパは、救急救命講習で学んだ経験を活かして急病の男性を助けようとした。 「死にそうになっている人を見て、本能的に、なんとか助けようとしたんだ」と、アダルパはテレビ局に語った。「3人で組んで、胸部圧迫を行った。たぶん、45分ぐらい続けた」 アダルバは後に、急病人の妻から、夫にはコロナウイルス感染が疑われる症状があり、今週にも検査を受けるつもりだったと聞いた。 今アダルパはウイルス感染の不安を感じ、「電車に轢かれたような気分」だという。 「咳が出たし、全身に痛みがある。頭痛もあった」と、彼は訴えた。 乗務員は2週間隔離 ユナイテッド航空は当初、男性が心停止を起こしたと知らされていた。だが現在は、疾病管理予防センター(CDC)と協力して、新型コロナウイルスにさらされた可能性のある同便の乗客に連絡を取っていると語った。 「今はCDCから直接、連絡を受け、情報を共有している。CDCは現地の保健当局と協力して、暴露や感染の可能性があると思われる乗客に連絡をすることになっている」 航空会社は、CDCが男性の死因を特定したかどうか、またウイルス感染を確認したかどうか、という点については明らかにしなかった。 CDCは18日、この件について「さらなる公衆衛生上の措置が必要であるかどうかを判断するために、情報を収集し、標準的な手続きを進めているところだ」と述べた。 アダルパは、自分のところにはまだCDCからの連絡はない、と語っている。 ユナイテッド航空によれば、男性乗客の妻は、夫が味覚や嗅覚の喪失など新型コロナウイルス感染の症状を訴えていたことを、救急隊員に伝えたが、その時点ではウイルス感染は確認されなかったという。 客室乗務員協会で広報を担当するテイラー・ガーランドは、この便に搭乗していた4人の客室乗務員全員がロサンゼルス到着後、2週間の隔離に入ったと本誌に語った。 ===== 問題の便は機内で倒れた男性を降ろした後、ロサンゼルスへ飛行を続けたが、その決定がなされたのは、救急隊員が男性の症状を心臓疾患と判断したのちのことだったと、ユナイテッドは主張した。「機体の変更はせず、乗客には後続の便に乗るか、そのまま同じ飛行機でロサンゼルスに向かうか、二つの選択肢が提示された。乗客は全員、ロサンゼルス行きを選んだ」 ユナイテッドは、この男性には高血圧や呼吸器関連の症状など既往症があり、搭乗の数日前から体調を崩していたことを男性の遺族から確認した。 男性はユナイテッドがコロナ対策として導入した搭乗前の健康チェックシートに、新型コロナに関連する症状は「ない」と記入していた。「男性の申告が正しくなかったことは明らかだ」と、航空会社職員は言う。 15日の夜に、少なくとも2人がこの件についてツイートし、その後ソーシャルメディアに不安の声が広がった。