<マスクをする人など皆無だった韓国も、コロナ禍の今年はマスクが日常的なものになり、さまざまなバリエーションが誕生した> 新型コロナウィルスの世界的感染拡大により、マスクの着用が当たり前の生活となった。日本のように日常的にマスクを着ける人が多い国以外の諸外国も、今ではマスクを手放せない生活を送っている。 人々は着用に慣れてくると、より快適な素材で、より効果があるマスクを開発し始め、さらには別の機能まで搭載させたハイテクマスクまで開発し始めている。 今回は、コロナ対策で数々のアイディアを生み出し、海外から注目を集めた韓国のさまざまなマスクを紹介しよう。 KAISTといえば、世界の大学ランキングで常に上位にランクインするほどの科学技術の超エリート国立大学だ。さまざまな研究や発明が発表されているが、今回このKAISTの研究チームがハイテク技術搭載マスクを発表し話題となった。「マスクリーン」と呼ばれるこのマスクは、着用時の短所である「口元の表情が読み取れない」問題を解決してくれる。 一見普通のマスクのように見えるが、内側には光センサーが内蔵されていて、光を反射させ唇の動きや顔の表情を感知する。そして、その顔の動きは、ドットの絵となってマスクの外側に付いているLEDディスプレイに反映される仕組みだ。 LEDで口の形や翻訳文まで表示するマスク LEDにはドットの組み合わせで「笑顔」「笑い」「悲しい」「怒り」「驚き」などの口の形になって表される。まだ細かい表現まで表示することは難しく、例えば「Fear(恐れ)」と「Inrage(怒り)」の口の区別はあいまいだが、今後さらに開発が進めば、もっと細かな表現がマスク上に再現されることとなるだろう。 そして、この「マスクリーン」に注目が集まっているもう一つの理由が、翻訳機能である。マスク内に搭載された小さなマイクが音声を拾い、GoogleクラウドAPIを利用して翻訳し、なんとマスクのLEDディスプレイに表示してくれる。翻訳言語は、韓国語はもちろん日本語、英語、中国語、トルコ語など多言語での翻訳が可能だという。 これがスムーズに活用できるようになれば、聴覚障がい者の人々にも役立てることもできそうだ。手話や筆記以外に、口の動きを見て読み取る口話技術で生活している人も多いが、マスクは口元を隠してしまうため口の動きが見えないという難点があった。 また、翻訳機能の性能がもっとアップすれば、近い将来外国語が喋れなくても、マスク一つを着用していれば知らない国へ旅行も夢ではない。さまざまな可能性が広がる近未来マスクである。 ===== LG電子の作ったハイテクマスク。ShopMask Global / YouTube LGもハイテクなマスクを作ったものの...... 空気清浄機機能が付いたハイテクマスクは、各社から発売されているが、韓国の電機メーカーLGから発売された「空気清浄機マスクPuriCare Wearable」は、LG ThinQモバイルアプリと連動して、フィルター交替が必要な場合スマートフォンからお知らせが届くという。 マスクには超小型ファンと交換可能な2個のフィルターが内蔵されている。空気を吸い込む時にファンが回るようになっているため、マスク着用時の息苦しさを軽減してくれる機能もある。 実はLGからこの新商品が発表されたのは、今年の7月だった。発表後、韓国民の注目を集めたが、残念なことにまだ発売されていない。LG側の発表によると、韓国新薬庁が販売許可を出していないからだという。LGは販売マーケティングを海外市場先行に変更し、10月から香港、その後11月にはイラク/ドバイ/インドネシアで先行販売し好評を得ているという。 芸能特番ではスペシャルなマスクを用意 年末の韓国の番組といえば、バラエティーなど芸能番組の授賞式が名物である。今年の芸能界を彩ったスターたちが勢ぞろいする席だが、今年は皆マスクを装着した顔が並ぶことになりがっかりした人も多いだろう。 しかし、そんな逆境もアイディアで乗り越えたTV局があった。12月19日SBSで放送された「2020 SBS芸能大賞」では、集まったスターたちの付けたマスクが話題を集めた。 そのマスクとは、授賞式に集まった芸能人の笑顔をあらかじめ撮影し、写真プリントして本人たちに配られた「スター顔写真マスク」だ。マスクにはスター本人の顔が印刷されているため、視聴者は笑顔のスターたちを見ることができた。 司会者を務めたタレント、シン・ドンヨプは、「この授賞式の製作費の大半が、このマスクの制作費用に充てられているはずだ」と冗談半分に話していたが、確かに大勢の出演者一人ひとりのマスクを制作したとなると、かなりの出費となっただろう。しかし、その分このアイディアは注目を集め、SNSを中心に海外でも話題となった。 人と同じが嫌なJKはマスクをデコる 韓国JK憧れのオルチャン、イェルオンニもマスクをデコる 옐언니 / YouTube このようにマスクにまつわる面白いアイディアは次々と生まれている。高価なハイテクマスクでなくても、韓国の女子高生の間では自作のオリジナルマスクをSNSで自慢する「마스크 꾸미기(マスクをデコる)」の略である「マック(#마꾸)」というハッシュタグが流行中だ。 マスクを全体的にデコるのではなく、端の方にワンポイントでサクランボやパイナップルなどのフルーツ、ハートや太陽などのマークを刺しゅうするスタイルが、韓国の10代女子の間では今どきなのだという。 2020年は辛いでき事が多い一年だった。今年を象徴するアイテムは世界的にも「マスク」を思い浮かべる人が多いはずだ。そんななかで、少しでも快適に、自分の手で可愛く、さらにもう一段上の機能をマスクにもたせるという発想で、前に進もうとする人たちがいる。 たかがマスク、されどマスクだ。もちろん、早くコロナが収束することを願わずにはいられないが、まだまだ先は長い。どうせなら、少し発想を変えてマスクを楽しむアイディアを実践してみよう。 ===== LG電子のハイテクマスク LG電子の作ったハイテクマスク。 ShopMask Global / YouTube JKたちは自分好みにマスクをデコる 韓国JK憧れのオルチャン、イェルオンニもマスクをデコる 옐언니 / YouTube