<ロシアの関与が疑われる米政府中枢を狙ったサイバー攻撃は、国際社会の安定を脅かす火種となる可能性も> 財務省や商務省、国土安全保障省など多数の米政府機関を標的とした継続的なハッカー攻撃にロシアの情報機関SVR(対外情報庁)が関与していた疑いが強まっている。 ロシア側の目的が単なる情報収集だったのか、2016年の米大統領選で行われたような米国内の攪乱を狙った動きだったのかは不明だが、バイデン新政権が発足直後から難しい対ロ外交を迫られることは間違いない。 欧米諸国とロシアの関係はロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイの毒殺未遂事件などで既に冷え切っている。米政府中枢への攻撃は、国際社会の安定を脅かすさらなる火種になりかねない。 「ロシアを刺激したくない欧州諸国は従来の姿勢を変えないだろうが、アメリカは異なる対応をする可能性がある」と、フィンランド国際問題研究所のロシア専門家アルカジイ・モシェスは指摘する。「新政権は前任者との違いをアピールするために強硬姿勢を取るかもしれない」 <本誌2021年1月12日号掲載>