<難しそうなイメージがあるかもしれないが、長期的に右肩上がりで安定して稼ぎやすい。米国株のメリットと知っておきたい注意点とは? 本誌「2021年に始める 投資超入門」特集より> 新型コロナウイルス拡大による世界経済の冷え込みやワクチン開発への期待をきっかけに、米国株投資を始める人が増えている。 投資経験が乏しいと、外国株には「難しそう」なイメージが付きまとう。しかし、実は米国株こそ初心者でも安定して稼ぎやすい条件がいくつもそろっている。 マネックス証券チーフ・外国株コンサルタントの岡元兵八郎氏によれば、その最大の理由は抜群のパフォーマンスにある。米国市場の代表的な株価指数、S&P500種は長期的に右肩上がりで、30年前と比べて約10倍に。一方、日経平均株価はバブル期の1989年に記録した3万8915円をいまだ更新できていない。 加えて、人口減少が続く日本の経済が縮小傾向にあることは明らかだ。対するアメリカは多くの移民を受け入れており、先進国の中で人口が増え続ける数少ない国である。 今後もアメリカ経済は堅調に推移すると考えられている。資産の全てを海外に投じる必要はないが、日本株だけでは不安な時代が訪れるだろう。 米国株投資を始めるにはまず、米国株を取り扱う証券会社で専用口座を開設する(一部の証券会社では外国株取引口座の別途開設手続きは不要)。以前は売買手数料の高さがネックとなっていたが、主要ネット証券会社ならほとんど気にする必要はない。迷った場合は、SBI証券、マネックス証券、楽天証券の大手3社から選ぶのが無難だ。 この中で、取扱銘柄数が約3800銘柄(2020年12月時点)と最も多いのがマネックス証券。24時間注文が可能な点も多忙な会社員には魅力だろう。口座数最多のSBI証券は、定期買い付けのサービスが充実。楽天証券は楽天ポイント利用が可能など、各社にそれぞれ強みがある。 売買には、日本株とは異なる点もある。日本株は4桁の数字による証券コードで表記されるが、米国株はティッカーシンボルと呼ばれるアルファベット表記が使われる。 取引時間は日本時間の22時30分から翌朝5時(冬時間は1時間繰り下げ)で、時間外取引も活発だ。ストップ高・ストップ安がないため、思いがけない暴騰や暴落の可能性があることも覚えておこう。 ===== アップルの株主になれる また、米国株は1株から売買可能。巨額の資金を用意しなくても、グーグルやアップルなど世界的企業の株主になれることも魅力の1つだろう。 そして、コーポレート・ガバナンスが確立されているアメリカ企業は、株主への還元意識が強い。日本株の配当は年1〜2回だが、米国株は年4回配当金を支払う企業が多い。一方、日本でおなじみの株主優待は一般的ではない。 いいことずくめにも思えるが、もちろん注意点もある。まず、米国株で利益(ドル)を得る以上、円にするときに為替変動で目減りすることがある。 また、課税の仕組みは基本的には国内取引と同様だが、配当はまずアメリカで10%が源泉徴収され、残額に対し、日本で20.315%の税率で課税される。これは二重課税となるため、確定申告をして「外国税額控除」を受ければ回避できる。 日本株と比べると情報は得にくいが、スマートフォンやコーヒーショップなど、われわれが思っている以上にアメリカ生まれの製品は暮らしにあふれている。 「親しみの持てる企業に投資してみるのも一つの手。また、翻訳ツールを使えば、アメリカ企業の情報を得ることもさほど難しくない」と、岡元氏は言う。 米国株取引ならではの特徴はあるが、基本的な心得は日本株と同様。時間と投資先を分散してリスクを軽減し、誤った情報に惑わされない冷静な判断力も重要になる。 <2021年1月12日号「2021年に始める 投資超入門」特集より>